不信任案/日米同盟

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/kyodo-2011060201000509/1.htm

小出さんのこの講演で特に54分30秒からの「被曝による急性死亡確率」と「全身被曝線量」(グレイ)との関連図表が気になった。グレイとシーベルトの単位は厳密に言えば違うのですが、おおまかのところほぼ同じとみなして図表を読んでいます。それによると2グレイで死ぬ人が出始める。4グレイで2人に1人が死ぬ。8グレイで全員が死ぬ。僕が放射線治療を受けた時は一回の照射量は2,5グレイでした。26回、6週間で合計65グレイ照射したわけ。大量の放射線照射だったんだと再認識。

不信任案の採決がどうなるか、予測がつかないが、少なくとも「脱原発か?」どうかの論点を明確にした上での不信任案提出にして欲しかった。今週号の「週刊新潮」の記事による『「小泉純一郎」が語った「脱原発」への道』を立ち読みしますか?田中角栄中曽根康弘与謝野馨と続いて「経世会」、「清話会」問わず、「原発大国」を推進したきたわけで、ただ、アメリカべったりの「清話会」の流れと自主独立の気風が潜在している「経世会」の流れとのズレが清話会の「小泉純一郎」、経世会の「小沢一郎」という政治家の立ち位置だと思うが、アメリカべったりの小泉純一郎が「脱原発」に対して小沢一郎はどんな選択をするのだろうか?
テレ朝news|テレビ朝日
原発】スイス「脱原発」宣言 2034年までに廃炉
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ドイツやスイスで出来ることが何故日本では出来ないのか?判断保留だなぁ。
与党が「脱原発」の宣言が出来ないのなら不信任案を提出の野党が「脱原発宣言」をすれば論点が明確になるし、
国民としても納得できる。
脱原発の理路 - 内田樹の研究室
まあ、アメリカの風向きしだいなのかなぁ。pr誌『本の窓 6月号』(小学館)をもらってくる。(p22,3)
菅原文太樋口陽一が対談している。

菅原 日本政府や東京電力の発表を聞いていると、昔の大本営発表を思い出すよね。情報を隠して楽観的なことしか言わない。東北の惨状は、戦禍を想起させる。
樋口 津波被害の写真を見て、私は昭和二十年七月の仙台空襲を翌朝を思い出しました。私が通っていた国民学校の隣が火葬場で、次から次へと焼死体が運ばれてきた。
菅原 オレは疎開先の田舎から、仙台市が赤い炎に包まれているのを見ていたけれど、焼夷弾がキラキラと不気味に光りながら落ちて行ったのを憶えてとにかく一日も早い復旧・復興を祈りたいと思います。
 さて、前回は今の日本憲法がどのようにつくられたのかということを中心に樋口さんにお聞きしました。その中で、アメリカが、天皇を「象徴」にして政治に関係させず、皇軍を放棄させ、政教分離をはかという三点セットによって皇室制度と天皇の身の安全を保証すること、つまり「国体を護持」することを連合国に認めさせたという話があった。日本はアメリカに恩義が生じ、だからアメリカにすっかりからめとられてもかまわないという、今日まで続く図式の原因になったのではないか。オレにはそう思えるんです。
 何かで読んだのだけれど、ホイットニーという、マッカーサーの腹心のところに吉田茂が日参していたと。で、指示をそこからもらって戦後の保守政治の路線をつくっていった、というようなことが書いてあった。だから自民党政権はずっと対米追従で、民主党になって変わるかと思ったら、さらにそれが……。そのあたり、樋口さんはどのように見ていますか?
樋口 言うなれば、日米同盟が現在の国体ですよ。戦後の日本には「同盟」という言葉は使えないという意識があったのですが、それがだんだん国体としてそれこそ正面に鎮座するようになって、今は与党も野党も同盟という言葉を使うことにまったくためらわなくなった。それどころか喜んで使っている。それも、同盟とは何かということがはっきりしないまま……。
 戦前に同盟という言葉が使われていたときには、今のような国体という意味はなかったと思いますよ。日英同盟にしても日独伊三国同盟にしても、あくまで利益の取引。非常に冷めていて、運命共同体みたいな意識はなかったのではないか。
 実際、ドイツにすれば、日本が満州(現・中国東北部)からソ連を攻撃してくれれば助かったのに、日本は日ソ中立条約を結んで助けなかったし、日英同盟だって日本は迷いがあった。第一次世界大戦のとき、もしかしたらアメリカはイギリスではなくドイツ側につくのではないかとすら、一部の人は想定の中に入れていたほどです。
 だから日本はカードを出さないほうがいいんだというような、リアリティのある損得勘定ゲームを当時の外交はやっていたわけです。つまり、そのときどきの政治や金によって動かされない、合理的なディシジョン・メイキング(意思決定)のプロセスという意味での官僚制が、戦前の日本は機能していたと思う。
 対して今は、いろいろな損得勘定をすることがいっさいなくて、ただ「日米同盟だから」ということでワアーッと政治が流れようとするでしょう。

もし3・11以降の問題を焦点化するなら、日米同盟=国体というOSを採用するか否かは避けて通れない問題だと思う。