寺山修司「虚空を未だに走り続け、飛び続けている」

ムッシュー寺山は若い人達に受け継がれている数少ない詩人の一人でしょう。いや、詩人という肩書きも彼には狭すぎるかもしれない。劇団、短歌、俳句、映画、など好奇心と欲望の赴くまま表現活動を全開に疾走した。

歴史は嘘、去ってゆくものはみんな嘘、そして/あしたに来る、鬼だけがほんと!−「毛皮のマリー

『ポケットに名言を』(角川文庫)のあとがきに詩人は名言を定義づけている。

/一、呪文呪語の類/二、複製されたことば、すなわち引用可能な他人の記録/三、行為の句読点として用いられるもの/四、無意識世界への配達人/五、価値および理性の相対化を保証する証文/スケープゴートとしての言語/

このブログ“千人印の歩行器”もかような引用に寄りかかっている。

そして、「名言」などは、所詮、シャツでも着るように軽く着こなしては脱ぎ捨ててゆく、といった態のものだということを知るべきだろう。

まあ、そんなもんと観念している。