水森亜土「キャラ文化の母」

Ado Mizumori (まるごとシールブックL)
◆キティちゃんが誕生して三十周年で、原宿、六本木で夏休み期間中、記念催事を行っているらしい。キャラクタービジネスは二兆円を超えたビジネスに成長している。出版業界全体の売上げに拮抗している。「ハローキティ」のキャラで付加価値をつけられた商品は一体、どれくらいあるのであろうか?恐るべきキティ文明とも言っても良い浸透度である。それに対抗するのはディズニーのドナルド・ダッグぐらいであろう。この“可愛いっ子”文化のオリジンはどうも、僕の実体験から来た感触では、70年代大活躍した水森亜土ではないかと、想像する。事実、サンリオのキャラクタービジネスは初期に、そのデザインを水森亜土に委託している。彼女は年齢不詳であるが、多分、ぼくと同年ぐらいである。イラストレイター、ジャズ歌手、劇団女優、作家とマルチな才能を発揮したが、「ハローキティ」と言うと、どうしても彼女のことを思い出してしまうのです。でも、間違いなく、かようなキャラクタービジネスの文脈に水森亜土独自の身体性を持って、リアルに確固として存在している。そう思えば、どことなく、キティちゃんと、水森亜土が似ているような感じがする。『キャラ資本主義』の源流に亜土語があるという仮説はあながち見当ハズレではない気がする