高橋三千綱/斬られて消えて、???

ぴぴさんが、“吟遊旅人”のブログで高橋三千綱(1948年〜)と高橋源一郎(1951年〜)との勘違いについて書いていましたが、そう言えば、三千綱は『退屈しのぎ』(1974年)で群像新人賞デビューしたのですが、『九月の空』(1978年)で剣道で青春する高校生を描いて、芥川賞を受賞したが、源一郎は『さよならギャングたち』(1982年)で群像新人賞を貰ったが、芥川賞とは縁がなかった。今の地点で考えると、三千綱は直木賞作家で、源一郎は芥川賞作家という分類で引き出しにしまってしまう間違いを犯しそうな気がします。だって、三千綱は『暗闇一心斎』のような剣豪小説をもっぱらにし、源一郎は意欲的に実験小説を書き、『優雅で感傷的な日本野球』で三島由紀夫賞を授賞し、芥川作家というイメージを持っている人が結構、多いのではないか、そう思ってネットで調べると、やはり、いました。まあ、二人ともギャンブラーで共通しますが。そう言えば、80年代の頃の話ですけれど、友人と本の話をしていて、どうにも噛み合わない、どこか、おかしい、その因は僕が高橋源一郎のことをしゃべっているのに、彼は高橋三千綱のことをしゃべっていたのです。でも、いまでは、そんな間違いをする人はいないと思っていました。作風は全く違うし、剣を語っても五味康祐三島由紀夫ほどの差以上のものが二人にはあります。ちなみに、柳生一刀斎の五味康祐も『喪神』の芥川賞作家です。五味康祐直木賞作家と勘違いしている人が多いのではないでしょうか。それに、源さんはテレビに露出し、文学好きでない人にも顔は知れ渡っている。三千綱さんはNHKの児童劇団に入って、子役でテレビに出演した経験はあるものの、意外と渋いハードボイルドな顔は知られていない。恐らくぴぴさんの見た『私生活』のだらしない裸のポートレートは源さんで、三千綱さんとは、似ても似つかぬ。ぴぴさんの顔の勘違いに笑ってしまいました。そりゃぁ、三千綱さんの方が二枚目です。でも、『九月の空』は読んでいるが、彼の剣豪小説は読んだ事はありません。
#『高橋さん違い』#『高橋さんHP』