鶴見俊輔/戦後民主主義・狸大明神

戦争が遺したもの同時代を生きて歴史の話 (朝日選書)いのちの書 (ちくま哲学の森)
◆『吟遊旅人』のぴぴさんが、『戦争が遺したもの』をテキストに読書会をやるので、ぼくのブログで鶴見俊輔に言及したものをピックアップしたら、沢山、あったのに驚きました。コメントも色々と頂戴している。『読書会』の資料として、参考になればと、まとめて、紹介しました。画像も高橋源一郎と並んで撮った『季刊 本とコンピュータ』の表紙を飾ったなかなか微笑ましいものです。ジャンルを問わず、老若男女と幅広く、愛された人なんだなぁと、改めて思いました。鶴見さんの良心は「後付判断」でなく、「日付のある判断」なんだ。あくまで、その時代に寄り添って、何を判断し、何をしたか、なのであろう。試合が終わって、その試合の中に生きない批評は信頼に値しないということでしょう。批評の立ち位置をリアルタイムに座を占めるには厳密な歴史的検証が必要であろうが、質と量の二面からの、個人の内面に降り立つ想像力と、とてつもない力技が要求される。小熊英二の『<民主>と<愛国>』(新曜社)は、戦後を通覧した見事な一冊ですが、その成果の上に立って、『戦争が遺したもの』という名著が上梓されたのであろう。小熊英二の編集者としての才能も加わって、鼎談集としては、オフの描写をするなり、様々な工夫をしている。ぴぴさんが、今年のベストワンにあげるのも、本つくりの総合判断から言っても納得出来