トマス・ピンチョン

“king”さんのブログ『「壁の中」から』が始まりました。彼は1980年代生まれなのに、後藤明生のみならず、小島信夫古井由吉など、内向の世代にフイットしたり、幅広い読書渉猟に勉強させてもらっています。bk1の66人の評者達と書いた『熱い書評から親しむ感動の名著』(すばる舎)では、ニコルソン・ベイカーの『中二階』(白水社)のレビューを書いています。
 今、僕はトマス・ピンチョン『ヴァインランド』を読んでいますが、ピンチョンの世界って、時代背景を抜きに考えれば、エンターティメント性だけを誇張すれば、その偽史、謀略史観たるノリは、山田風太郎ではないかと、それとも、八木止夫かと、楽しく読んでいます。でも、60、70年代のヴァークレイ、カリフォルニアのカルチャと、くの一忍法が交合するとは、今、現在から通覧するアメリカ裏バージョンの現代史として解読しても面白い。読みながら、横滑りして脱線して、中々前へ 読み進めないのです。
 参照:kingさんのレビュー:『競馬ナンバー49の叫び』です。見返しの綴じに“大地のマントを織つむぐ”っていう見開き折込のレメディオス・バロの絵が挿画されています
競売ナンバー49の叫び中二階 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)夢魔のレシピ―眠れぬ夜のための断片集