野町和嘉/祈り

 来年度のカレンダーが友達から届きました。日本国際ボランタティアセンター(JVC)発行で野町和嘉の写真15葉が掲載されています。『祈り』(pray)です。

[……]イスラームキリスト教、仏教、あるいは原始信仰と、祈りのかたちは様々でしたが、そこには、自然への惧れと感謝を通じての神と向き合う真摯な姿が常にありました。/聖書をはじめとする伝承が説くように、この世界は神の意志によって創造されたものなのか、あるいは、祈りという行為の果てに、ヒトが神という幻想と遭遇してしまったに過ぎないのか、宗派や地域あるいは個人によってとらえ方は様々ですが、いずれにせよ、デリケートで壊れやすい頭脳を獲得したことでヒトとなった私たちは、心を預ける超越者の存在なくしては心安らかに生きてはゆけぬ宿命を背負っております。/この三十年来、私が各地で遭遇したものは、ヒトがヒトであることの証としての、真摯な祈りのかたちでした。―野町和嘉より―