野良人とクレヨンしんちゃん、サラバ!無痛文明

洞窟オジさん―荒野の43年 平成最強のホームレス驚愕の全サバイバルを語る映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 [DVD]映画 クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 [DVD]クレヨンしんちゃん (7) (双葉文庫―名作シリーズ)クレヨンしんちゃん (10) (双葉文庫―名作シリーズ)
◆昨晩の鍋カワハギの残りでおじやを作ってテレビをみながら食べていると山本晋也がレポーターになって『洞窟オジさん』で有名になった加村一馬のその後の報道特集をしていた。彼は13歳の頃家出して、43年間も洞窟で暮らし、蛇を刺身で食ったり、蛙は勿論のこと、オヤジから教わったサバイバルの知恵で生き抜いたのですが、そもそも、家出の原因がオヤジから受けた折檻という皮肉ですが、43年後に窃盗未遂をやってしまい地元で塗装業を営んでいる夫婦が身元引受人になり、加村さんは住込みで家族と同居することになる。日給は2000円ですが、別途、健康保険にも加入出来て、塗装の仕事を教わりながら、個室つき食事つきなので、そんなに悪い待遇ではないのですが、とうとう、加村さんは去年、この身元引受人一家の家を出てしまう。出版されたこの本は結構、売れたらしい。印税も入って、どうやらパチンコにハマッタらしい。でも、いまでは、パチンコもやらなくなったらしいが、山本晋也チームと一家が加村さんを探し当てて、「帰っておいでよ」と説得するが、「あの一家はとても好い人だけれど、一度出て行ってしまったものが、おめおめと帰ることが出来ない」と、又、何処か行ってしまったらしい。彼は又、山へ戻って行ったのか、そんな風なドキュメントでした。
◆大阪から始まった『THE BIG ISSUE JAPAN』は“ホームレスの仕事をつくり自立を応援する”をメッセージを発信して、もう20号目を街場の繁華街で販売しながら、順調に活動を拡げていますが、一冊200円のうち110円が彼らの収入となる。グループホームにゲストとして一日1500円を支払って住むことも出来る。最近単行本として『ビッグイシューと陽気なホームレスの復活戦』(ビーケーシー 定価1575円)も出版されたらしい。著者は櫛田加代さんですが、スウェーデンで開かれたホームレスワールドカップのルポもあるらしい。どうも、ぼくとそんなに歳の違わない加村一馬さんとか、ビックイシューの販売員を見ると、何か他人事でなくて、徒然に書きたくなりました。加村さんにしろ、街で見かけるビッグイシューの販売員達はみんないい顔をしている。
◆そう言えば、
保坂和志さんとがぶんさんの掲示板
でがぶんさんが『野良人』(のらびと)のことについて去年の秋ごろ(注:[2885]10/24)スレしていたが、江の島付近中心にした海岸線にはだいたい30人ぐらいの野良人がいるらしい。がぶんさんは暖かい眼差しで関心をもっているらしく“ガンジー”さんと呼ばれている野良人とか、色々とそのドキュメントを寸描していましたが、アメリカからレスがあって、この田舎町では野良人に会ったことがありませんと行間から?めいたものが聞えましたが、野良人のいない町ってつまらないですね。他の人達からは銀座で豪華な海老天などののかっている弁当をたべている野良人らしきレポとか、「河原町のジュリー」とか横浜伊勢崎町の『港のメリー』と、気合の入ったレスがあり、都市伝説モードに入って、僕自身もカキコしたのですが、脱線してぼくは少ない年金生活者なので、野良人、社畜人でもなく、家畜人かなとコメントしたら、“葉っぱ64さんは家畜人ヤプーですか”との質問がありました。そこはそこ、予想されたQ&Aで「家畜人ヤプーでなくて、 家虫者(カチューシャ)、可愛いや、ムッシーでしょう。 」と、葉っぱ64として応えました。
◆というわけで、『クレヨンしんちゃん』のDVDを楽しませてもらいました。『モーレツ!オトナ帝国の逆襲』は“二十世紀の無痛文明よサラバ”、「例え、二十一世紀が廃墟であろうと、未来へ生きる」とのクレヨンしんちゃんのメッセージが痛いほど伝わりました。過去の思い出に逆行して閉ざされた夕焼けの町は死の町であり、無痛文明の気持ちのいい町かもしれない。その気持ち良さだけで、本当にいいのか?そんな問いをクレヨンしんちゃんは発信してくれているのです。もう一本、『アッパレ!戦国大合戦』も面白かったです。二本ともメッセージ性が明白でかようなクレヨンしんちゃんを子ども達が充分に愛しているとしたら、この国の子ども達はまんざら捨てたもんじゃないと嬉しくなりました。