与えることの出来るもの、出来ないもの/旧ブログ転載

おおきなリンゴの木は少年に与え続けた。青年になればなるで、老人になればなるで、「欲しいものは」いくらでも…。ー『おおきな木』(篠崎書林)よりー

「少年・青年・老人」の欲しいものは形になって思い浮かべることが出来る他愛ないものでした。お金で買えるものです。でも、おおきな木はとても嬉しかった。きりもなく与え続け、与え続けて、大好きな男の望を叶えてあげることが、繰り返し、出来るからです。やがて、男が老いて、切り株しか残っていなくとも、それでも、尚、男を安楽に腰掛けさせて、歓ばせた。「みんな もっていってしまった。きは それで うれしかった」。恐らく、この絵本で描かれなかった、老人の次のページの欲しいものは、見えないもの、買えないものかな。
★本日のアクセス数(367)