ホリエモン、ソンを越えて

kuriyamakouji2005-03-27

宴の身体―バサラから世阿弥へ (岩波現代文庫)中世芸能を読む (岩波セミナーブックス (83))
武田徹さんは今回のホリエモン騒動は「IT対マスメディア」の対立構図になっていない。「ITの敵はIT」の身も蓋もない狭い世界でのやりとりになっていると、斬って捨てている。孫も三木谷もIT革命がしたいのでなく、単に自分達が生き残ればいいし、財界のお偉方の覚えがよければ嬉しいのだろうと書いてしまっている。⇒〓3/25、〓風の旅人の佐伯さんは長文のブログ<規制産業崩壊の序章>をアップして、ソフトバンクライブドアを好意的に捉まえている。追伸:3/28「『風の旅人』編集だより :インフラとコンテンツ

ライブドアは放送に対するビジョンを持っていない云々などと言う人がいるが、ニッポン放送やフジテレビのどこにそれがあるのだろう。彼等がやっていることは、世の中の現状をなぞっているだけのことで、世の中の明日につながる何かをやっているわけではない。もしくは、2,3年後の社会を想定した仕事をやっているとはどうしても思えない。彼等には、”今”しかない。/ライブドアソフトバンクも、新たな時代に対応するインフラの仕組みさえできれば、コンテンツは後からついてくると考えているだろう。彼等は、未来を頭に描いて仕事をしている。それが良い悪いは誰にもわからない。でも、未来を頭に描くことじたい、ビジョンを持っているということだ。

武田さんの言うように表層的には「ITの敵はIT」の様相ですが、佐伯さんのコメントの様にそれでも、インフラのフレームを作る魁として一定の評価をしてもいいのではないか、それによってベクトルが変わればその時こそ、コンテンツの問題としてマスメディアが為してきた遺産、為すべきビジョンを検証して「IT対マスメディア」と言った位相でなく、「メディア・リテラシー」の位相で喧々諤々やればよい。かって武田徹さんの掲示板で期間限定ネットとマスのジャーナリズムに対するスレッドが貼られ、喧々諤々やりましたが、そのような土俵(フレーム)作りに今回のホリエモン騒動はいい意味での一助になったと思う。

  • 参照:2003年7/19〜7/30の期間限定で 『武田徹WEBサイト』掲示板を利用して、「ネットジャーナリズムはジャーナリズムをいかに変えたか」というテーマーでやりとりしました。僕自身も書き込んでいますので、その当時、どのようなことを考えていたのか、又、みなさんの関心事、問題点は何だったのか、それらを検証する意味で武田徹さんのLOG集の一部を貼り付けて置きます。(5/17記)

付記:[一回目] [二回目] [三回目] [四回目] [五回目] [六回目] [おわり]