前回に続く未読100冊【?】

保坂和志さんを始めそれ以降の作家達が、大西巨人の『神聖喜劇』を絶賛していますね、ノーベル賞に値すると。でも、実際のところ読んでいない、読むチャンスはいくらでもありました。現役の書店員の頃、カッパブックスから発売され、神吉さんのカッパ兵法(商法)でおなじみ抜け目のない販促は余人の真似の出来ぬ派手派手さで、この戦争文学も結構売れたのです。でも、だからこそ、へそ曲りな衒いで僕は一生懸命売りはしたが、読まなかった。それよりも保坂さんが本書はダンテの「神曲」をネタにしたのであって、吉本新喜劇の喜劇のノリと関係ないよと“小説をめぐって”で丁寧に説明しているが、当時のカッパ商法は今の吉本商法を彷彿するものがありました。僕の中にも保坂さんが苦笑するようなヘンな先入観があったと思う。当時、野間宏の大長編『青年の環』は完読したのです。読む前からヘンなバリアがあったんですね。今、この時点で歯軋りしています。野間宏は読まなくとも大西巨人を読むべきだったと。恐らく、カッパブックスでなく他の出版社から発売されていたのなら、多分、読んでいたでしょう。別にカッパブックスが嫌いではありません。むしろ好きです。神吉晴夫の『カッパ商法』は愛読したのですから。
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京都三条ブックオフで、ギボンの『ローマ帝国衰亡史』(ちくま文庫)が?巻のみ欠番で10巻まで揃って百五円コーナーに並んでいました。
びっくりしましたが、九冊もあれば荷物になるし、一巻がかけているのが、気になると、とうとう、購入しなかったのです。次に寄った折、当然、売れていました。
千円でおつりがきたのに…。残念無念。そんな後悔が読みたいという駆動力になる場合がありますね。まあ、ちょいとした引き金ぐらいですが…。
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