メモしながら再読したい脳と創造性

 茂木健一郎の『脳と創造性』を読みました。確かに本書は啓蒙書の枠を超えています。今まで読んだ茂木さんの本は「脳のお勉強」をさせてもらおうと、生徒の気分で本を紐解いたのですが、本書では茂木さんの生き様が見えます。茂木健一郎というかけがえのない一回性の実存が、それが故に普遍に繫がるんだと、そのことだけは確かに信じることが出来る。全身で茂木さんが語っています。
 その私秘的な個別が再現がきかなくとも体験されたものとしてリアリティを獲得すればそれがクオリアなんでしょう。茂木さんの他の著書と比べてシンプルで読みやすい、でも、深いんだなぁ…、ああ、ここに茂木さんの哲学がある。閉ざされていない哲学です。
創造性は生きることなんでしょう。僕の日々の日常の中にも“生きる”手ごたえさえ積み重ねれば取るに足らないノイズにも反応して外部に繫がり、内部と共振して創造の萌芽を呼び込む。茂木さんのメッセージは世界を信じていいんんだと、とても勇気のわく、僕自身の免疫力が数倍アップした感じです。
 もう一度、再読したいです。bk1を覗くと誰も書評をアップしていないですね、ならば、僕がと思ったのですが、最近、書評投稿していないので、ちょっと、臆病になっています。そう、「とまどうペリカン」の心境です。ひょっとして、茂木さんの目に触れる怖さもありますから、もう、一回、読み直して付箋をつけて時間を置いてレビュー投稿します。いつのことになるやら…、誰かレビュー投稿して下さい。

英語圏では「最初のペンギン(first pengium)」と言えば、勇気を持って新しいことにチャレンジする人のことを指す。そのような概念、それを表現することがあるということは、それだけ、不確実な状況下で勇気をもって決断する人が賞賛される文化があることを示している。/未来が見渡せないままに不確実性の海に飛び込むといくのは、創造性の発揮において、人間がまさに行っていることである。創造的な人間は、不確実な状況下で海に飛び込むという「決断」を下すペンギンと、生物の進化の歴史を通してつながっている。不確実性に直面し、それを乗り越えるために脳の感情のシステムの働きを通してつながっているのである。(75)

 井上揚水とペリカンは繫がっているのです。『RAION & PELICAN』の“とまどうペリカン”を聴きながら、ちらちらと、『アエラ 4/25』の表紙の茂木さんを見ると、きりりとしてライオンの風格がある。若獅子だなぁ…。
ホリエモンはドラエモン、茂木さんはレオ、僕はとまどう歩行器か…。しまらねぇー、