双風舎トークイベント

 『仲正昌樹×北田暁大トークセッション』の案内がありましたね、タイミングよくぴぴさんからも北田暁大の『嗤う日本のナショナリズム』のレビューがアップされていました。ぴぴさんの不満は例えば、東浩紀は自ら「オタク」である内側からコミットする彼自身の実存的な選択があり、『動物化するポストモダン』を考察する、これしかないという身体的な選択と言うか、止むに止まれぬものがある。それは森岡正博の『無痛文明論』にしたところで、彼自身、無痛文明にどっぷりと浸かっている身体的な甘美と危機感がある。そこから、語っている。だから、体系として穴ぼこが方々に空き、危なかしいが、何か惹かれるものがある。北田さんの分析は鋭く、見事で爽快感さえあるが、読後にもやもやしたものが残る。
 ぴぴさんの言いたいのは東浩紀にしろ、森岡正博にしろ、好きなものを研究対象にしているが、北田さんは2ちゃんねるをちゃんとロムしていないんじゃあないか、好きなものを研究対象にしていないんではないかと言う疑念があるみたい。宮台真司にしろ援助交際に深くコミットして、言わば好きなものを研究対象にしたわけだし、学問に説得力を持たせるキーワードは“好きなこと”なんでしょう。

1971年生まれの北田さんは、<政治的悩める青年時代>、「僕って何?」と悩む69年世代のような青春の蹉跌を経験していないのだろうな、と思う。だからこそ、クールに切っていけるものをもっているし、徹頭徹尾、自己の立ち位置を不問に付したまま論が進むのもそれゆえだろう。

 僕は本書を読んでいないのでコメントを控えますが、ぴぴさんの疑念を胸に9.11までに読了したいと思います。
参照:http://blog.livedoor.jp/pipihime/archives/24789051.html
http://blog.livedoor.jp/pipihime/archives/27743926.html
「書評」について - 双風亭日乗はてな出張所