クールな歩行、脚フェチ♪

 近くのVV(ヴィレッジヴァンガード)を覗いたら、凄く気分が高揚してしまった。納得のゆく商品構成なので、嬉しくなるのです。かっての僕の本棚とそんなに違いがない。爺の僕をターゲットにしていないで、孫世代をマーケティングしているのにビジネスとしてやっていけることは時代を超えて欲望と言うにはあまりにも流行に作用されない強靭なものが僕と子供たちの間に回路としてつながっているという嬉しい発見でもあるのです。
 手書きの気の効いたPOPを読んでいたら益々いい気分になりました。その中でジャズの大ヒットアルバム『COOL STRUTTIN’/SONNY CLARK』のPOPが熱い!、画像のとおり「世界一有名な脚」なんです。このフェチな視線にさらされた鏡像は、脚そもののも他者を意識している、見る、見られる関係性の痛々しさ歓び、そんな事情ではWALKIN’ではダメ。
 STRUTTIN’でSTRUTは俳優が気取って舞台に登場するという具合に使われる気取った歩き方ですってね。成程と思いました。千人印の歩行器のwalking gentlemanは単なる通行人、台詞のない端役の意味なんです。そこが違う。
 ソニークラークのこのファンキージャズは主役なのです。どうやらPOPによると、VVのオーナー菊池さんはこのアルバムを売りたいがために店を始めたんですって。スタッフの間では有名な話で、そんで、ゴマすったのか(笑い)、このアルバムをフェース陳列、なんと26面のメンチン、いや脚フェチでした。
 追記:屁爆弾さんのmixi内のコメントで映画『蜘蛛女のキス』について書かれているのですが、こんな印象的な引用がありました。

二部の前半で、「君にとって男ってなんだい?」って、バレンティンモリーナに聞くんですが、モリーナの答えがまたすてきなんですよね。
「まっすぐに歩くこと、自分が何をしようとしているかをいつも知っていること」これがモリーナの愛する男性像 なんですね。これってすごくすてきな人間観ですよね!私はこの部分でプイグという作家が好きになりました(笑)。

 アイロニーを背負っている僕は中々まっすぐに歩けないもんです。まっすぐに歩きたいもんです。