働くことに思想はいらない
生田武志は前から気になっていた人でHPなどを覗いてはいたのですが、とうとう彼の新刊が出たとの情報をウラゲツさんより知っていましたが、まっちゃんさんが『人間力と言うな!』と言う、どき!とするエントリーをアップしている中で『野宿者襲撃論』を紹介していましたね。読書計画に加えます。
ところで、まっちゃんさんはマイミクでもあるので、そちらの閉じた(笑)SNSにレスしたのですが、表舞台に僕のレスを織り込んだ改訂版をアップしているので、誤解なきようこちらにもレスアップして置きます。
成程ね、人間力/動物力における東浩紀的「動物化」を、前向きに捉えて処方箋を模索するしかないのではないか、と思います。店頭でここで話題になった野村一夫の『未熟者の天下』を衝動買いしました。後藤さんは巷に流布する『若者論』に待った!をかけてブログで膨大なテクストを更新中ですが、オヤジ/若者という二分法で考えるのでなく、「未熟者の天下」という一元論で考察すると、「動物化」は避けられない流れであって、その中で生きる辛さの処方箋が思考停止ならやっぱり、辛いですよね。まあ、僕は第三の老人という立ち位置なので、ちょっぴり、当事者意識が薄いですね。
まっちゃんさんのブログによると、マイミクの後藤和智氏は内藤朝雄、本田由紀、両氏と『ニートって言うな!』という本の準備にかかっているらしいですね。どんな本になるか楽しみです。
確かに“コミュニケーション力”とはある面では残酷なツールかもしれない。でもこれに替わるべき何があるだろうか、これより最適なものはないとも言える。
“動物化力”?保坂和志が「働くことには思想がいらない」とよく言っていますが、このコミュニケーション力は思想のいらない簡便なもので、別段悩む大それたものではないのだろうと、言ってみたい位相でぼくは“動物化”って言葉を使ったんだろうなぁ…。
この言葉は保坂さんの芥川賞受賞作品『人の閾』で使われたもので、WEB草思『途方に暮れて、人生論/何もしないことに勤勉だった学生時代』でも言及しています。
「働くことに思想はいらない。思想がなければ怠けられない」 後半はちょっと余計だったが、前半は真理なのだ。
と書いている。僕は不思議とこの言葉はよく覚えているのです。このブログでも再三書いています。物凄く納得出来るのです。「働く」ことに関してまず「思想はいらない」という了解から「働くこと」について考えると風通しよく処方箋がみつかるような気がします。自分探しと働くことをドッキングさせると、辛いものがあります。せめてそれが抑圧になることを回避したいものですね。
参照:雑誌『談』編集長によるBlog : 野宿者/少年・少女という二つの「ホーム」レスに連帯の道を開く
http://nb.nikkeibp.co.jp/free/x/20051226/20051226005142.shtml
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