初夢を見せてくれるかも知れない新しいタイプの本屋

 街の本屋はまだまだ色々なことが出来るんだと気付かせてくれる本屋が横浜は関内の馬車道で誕生したことをお知らせしましたが、この『encounter』の体験レポが届きました。おーや(ごんだま)さんが保坂和志の保板にアップしたものですが、僕宛になっているところをコピペします。『散歩の達人』の最新号にも紹介されていますね。本は勿論、中味が大事ですが本という器をもっと演出する努力が店頭で行えば新しい読者を獲得できると思います。そのことに対して敏感になる必要があるでしょう。でも、実際は他業界と比べても最も低いレベルの時給のアルバイトが主戦力で、そのようなセンシティブな棚を要請するのは酷と言うべきでしょう。勿論、安い時給であれ、本が好きで堪らないアルバイターの熱い思いに組織が乗っかって甘える構図が見受けられますが、今は人材派遣会社を通した実体はアルバイトでありながら「協力社員」という名目で非正社員を派遣している場合が多いですね。人材派遣会社からみれば、二人でやるべき仕事を一人でやってしまう優秀すぎる人は人材派遣会社にとってもっとも迷惑な話なのです。そういうオカシナ常識が一方であります。このあたりの業界の話になれば、二極分化に触れざるを得ず、帝国/マルチチュードの「文化戦争」に又、触れるようになる。そのことについては別の日に…。

12月上旬頃の書き込みで話題になった、馬車道の「encounter.」に行ってみました(さきほど、16:30から19:30まで3時間ばかり。ここは最新号の「散歩の達人」本屋さん特集でド頭に掲載されています)。
葉っぱ64さんがブログに「とうとう夢見た本屋が実現か?」と書いていらした通り、とてもいい落ち着ける場所でした。。。テーブルが3つ、それぞれに椅子が2つずつ付いて計6脚。主にハードカバーが収まった書棚と、それより小さいサイズの文庫&新書が並んでいる棚があり、大っきい方はなんだかテトリスみたいな(拙い表現でスミマセン)組み替え可能なもの。
そして忘れちゃいけないのが、最たる特色であろう「無地の封筒に入った古本たち」。今日棚を見た感じでは、ハードカバー棚は7割が封筒入り、文庫棚では9割が封筒入りでした。葉っぱさんが気にしていらした↓についてなのですが、
馬車道の入場料を取る本屋さんは一年限定のアンテナショップというビジネスに特化したものか、「本を素材にしたパフォーマンス」で云わば展覧会場として入場料を取るのか、そこのところが判然としません
さっき訪ねて何が楽しかったかというと、「封を開けるときの緊張感」で。。。例えば、すでに封筒から出された、小島信夫の『抱擁家族』と『女流』が棚に並んでいて、その間に封筒に入った正体不明の一冊の文庫本がある。これを僕はてっきり、小島先生の著書かと思って封を切る。しかし、なかから出てきたのは「砂の上の植物群」(パウル・クレーの絵ではなく吉行淳之介の)。これが何とも心地よい裏切られ方をするんです。う〜ん、短時間じゃハッキリとは掴めないけれど、ぼくは後者である側面が強いように感じました。
糸井重里さんの「本読む馬鹿が、私は好きよ」てコピーがありますが、あの空間は、本読む馬鹿であるほど楽しめます。封を開けるときのワクワク&むずむずする感は何とも言えません。。葉っぱ64さんも横浜に来年秋までに来られる機会があれば、ぜひ訪問されることをオススメします。ほんと楽しいですから(シツコイか)

 横浜に行く機会を作りたいものですね。