ちちんぷいぷい

 毎日テレビの生番組ちちんぷいぷいは関西地区での昼間の人気番組(午後3時〜5時50分)ですが、丁度、偶然目に入ったのは『格差社会の中今年も開かれたニート祭り』御題(2/15)でした。ニートっていう概念がわかりにくいと桂ざこばがこぼしていたが、そのとおりです、ぼくもわからない、「若年失業者」(?)は働きたいという意思がある失業者であってニートとは言わない。「端から働く気が一切ない若者をニートと定義付けば42万人」(?)で、景気の変動にあんまり関係なくほぼ横ばいで今更ニートと言って騒ぎ立てる必要性もない。
 問題はそのグレーゾンで、「働く気はなくともないが、自分に合った仕事があればやってもいいかな」(?)と、小泉流新用語では勝ち組、負け組み、に対して待ち組みというらしい。この?番目の「待ち組み」が増えているという認識なんですね。そしてこの?、?を合算して「ニート問題」と定義するのが妥当なんでしょう。
 ?は完全に労働政策、経済政策の問題でしょう。ジョブカフェの試み(35歳までのハローワーク)はまず若者が働く気を起こしたら、気楽に来て下さいと、民間企業、支援団体と様々な人々が敷居の低い友達感覚で職業支援をしている。
 この?の若年失業者は「ニート」って言うべきではないでしょうね、下で紹介したベルギー映画『ある子供』の監督が日本のニートが62万人と理解しているんだから、?+?の内で?に近い若者をニートと理解すればいいのか、ざこばは?は働く気はないのではないか、口で言うだけでと辛口なコメントをしていたが、そうだとすると、?と?を合算して働く気のない若者と定義づけをすれば、無視出来得ない数字となる。
 「働く気のない」若者となると、「ニート」は労働問題でなく、社会問題でさえも収まりがつかず、宗教・哲学・文化の問題になるでしょう。?の純正ニートならほっとけばいいのでしょうが、?が加わるとそうも言っていられないということなのでしょう。
 番組に本田由紀さんが録画出演されていました。本田さんはあくまで労働問題に焦点を絞って話していました。映像の本田さんを始めて拝見致しました。『ニートって言うな!』の本も画像紹介されていました。本田さんの提案、非正社員の待遇改善はそのとおりなのですが、人材派遣会社のシステムが生きている限りはブラックボックスとして会社と非正社員がつながらず協力社員という奇妙なねじれの労働市場が障壁となるでしょう。本来専門性の高いスキル業種が派遣社員として労働提供されたわけでしょう。でも実態は協力社員と言う名の単純労働でアルバイト、日雇い労働で働いているのが実情でしょう。まあ、このあたりの労働問題は専門家でないので、これ以上言えませんが、労働組合という支えも会社という支えもないない非正社員はいい様に扱われていることも事実です。それであっても戦い方はあるのですが、非正社員はそういうことに無関心な人々が大部分でそのことが問題だと思う。フリーターを一生やりたいという選択も労基法上明確に身分として保証するといった規定を作ると言ったって、フリーターのフリーター(法律用語でないフリーターって無限後退になってしまう)、とわけのわからぬことになってしまう。日雇い労働者という立派な法律用語があるのだから、わざわざ、フリーターと使わなくてもいいと思う。そうでないと問題の有り様が不分明になる。
 番組で秋葉原でおこなった「第二回ニート祭り」の模様を放映していたが、コスプレのいでたちで電車の中に横断幕を掲げて主張していたのですが、参加人数は何人?って質問したくなりました。
 ひとりのニートは「僕は勝ち組、負け組み、待ち組なんて関心がない、そうでない道を歩きたい」みたいなことを語っていたが、豊かなホームレスの道も加えていた方がいいかもしれない。
参照:本の通販ストア - 本、雑誌の通販ならhonto

「ニート」って言うな!
本田 由紀著 / 内藤 朝雄著 / 後藤 和智著
光文社 (2006.1)
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