一億人の作家がネットで?

 最近、眠くてたまらない、それでも、 遅々として読み進んでいるのはエドワード・W・サイード『遠い場所の記憶 自伝』です。佐藤真監督の映画『エドワード・サイード OUT OF PLACE』の上映が5月1日だから、それまで、読了して気分を昂揚させなくては…。*1
オンライン書店ビーケーワン:遠い場所の記憶

 これほど長いあいだ孤独と不孝を味わったものの、最終的にはわたしは自分のことを幸福と考えるようになった。今では、「ふさわしく」あること、しかるべきところに収まっている(たとえば、まさに本拠地にあるというような)ことは重要ではなく、望ましくないとさえ思えるようになってきた。あるべきところから外れ、さ迷いつづけるのがよい。決して家など所有せず、どのような場所にあっても(特にわたしが骨を埋めようとしているニューヨークのような都市では)決して過度にくつろぐようなことのないほうがよいのだ――

裏表紙の一文である。
 自伝と言えば、サイードならずとも一億総書きたがり症候群とも言える、自分史からネットでアップして書き散らす僕を含めた、ときにはブロガーとも呼ばれる人々がどんどん増えてきていますが、まあ、いいんんではないかと思います。膨大な分母のノイズであっても、数%の確率でヒットするなら、僥倖と言わねばならない。大体、パチンコのフィーバーの確率が1/250としてそんなもんでしょう。検索のスキルを向上させて自分が欲する情報をヒットさせるのも結構楽しいものです。
 でも、スパムメールだけは余計ですね、何とかならないですかね、WEB2.0の世界は大歓迎ですが、Gメールの場合内容にロボット検索の目が入るわけでしょう。その場合、僕が良くても相手側が嫌がるかもしれないですね、でも内容に対して検索の目がチェックしないと、完全なスパムチェックは無理でしょう。思い切ってメールなんかやめて、ブログのコメント欄、ミクシィのメッセージ機能だけにしようかなぁと考えています。チラシは別に嫌いではないのです。でもスパムは何で出会い系ばかりなのか、それが不思議です。それだけ需要があるのでしょうか?効率のいいツールだとはとても思えない。一万人の一人ぐらいの確率でワンクリックする賢い?人がいるのでしょうかね(笑)。
 佐渡裕大阪城ホール一万人の第九の募集が6/5なのですね、僕は物凄い音痴なのでどんな素人でも歓迎で男性軍の当選確率が女性軍と比べて高いと言っても申し込みする勇気はありません。これはと思う方は申し込みしたらいかがでしょうか、とても濃くて熱い全身が震えるような体験を味合うことが出来るみたいですよ。
 ◆ウラゲツさんが『ブログ出版が「自費出版」を身近なものの変える?』『自費出版は飽和状態に突入か』とエントリーしていますが、 それにシンクロした秋嶋日記の『一億総作家状態』一万人の第九の熱気が、それがネットの「WEB2.0」の世界なら容易に一億、十億になりうるとそのダイナミズムに目眩がしますね。

*1:窓口販売と電話予約は京都造形芸術大学・京都芸術劇場チケットセンター(075-791-8240)