赤ん坊時代

赤ちゃんは世界をどう見ているのか (平凡社新書 (323))
 先ほど、NHKで上海の小学校事情を特集で報道していましたが、その加熱な教育ぶりには驚きました。一人っ子政策が貫徹していますから、その子に向ける教育投資は最優先で赤ちゃん時代から始まっているのですね、胎教は常識で赤ちゃんの教育スクールも凄い!小学校にあがる前から他の子供より一歩先んじてと、幼稚園時代から小学校で教わるべき授業をしている。最初が肝心なんでしょう。音楽、スポーツなどのお稽古ごとにも熱心で、将来、社交で必要なスキルも磨いているのです。小学校の進学もどうしても有名校に入りたいから、その学区内に引っ越ししたり、あまりにも希望の生徒が多いと選別しなくてはならない。テストとして「コミュニケーション力」を確かめるべく面接を重視するのですって、その訓練に幼稚園児たちは街頭に繰り出して見知らぬ大人に声をかけ、会話のトレーニングをする。
 ある母親はハーバード、ケンブリッジに入学してもらいたいのですと、あくまでもグローバルなマップの中で子供の教育を考えているのですね、そのようなエリート教育は即子供のためになるんだと、悩みがないみたい、でも、そのような競争に外れた子供たちはどのような選択肢をチョイスするのだろうか、10年後あたりは中国の時代になるっていうのも、そのような子供たちをみていると、なるほどな〜あ、とナットクしてしまう。ハート&ネグリの『マルチチュード』で書いていたことですが、アメリカが悪の枢軸国と指呼する真意は北朝鮮に対しては中国、イランに対してはロシア、イラクに対してはEUと、そちらが本丸なんだというアメリカの焦りがわからなくもない。