男でも女でもまず「依存しない思考」を構築する/社員募集

 前日に投稿したbk1の『バックラッシュ!』のレビューに贅肉をつけて、ちょいと“よしなしごと”を書いてみます。深夜のシマネコの赤木智弘さんから「『バックラッシュ!』を非難する」への反響について がアップされましたが、彼の石投げ行為はとても勇気ある行動だったと思う。実際のところ、僕の考え方(バブル以前の60歳以上のオトコ)とあまりにも立ち位置がちがっているから、異論を書きたいのですがそれ以上に赤木さんはとても赤裸々に本音を語ろうとしている。まずそのことに敬意を表したいと思いました。
 赤木さんの「生きやすさ」のトランプ的非対称構造の図式によれば、僕は文句なく弱者男性だけど、ネタとして「弱者男性」って広言することはあっても、本人の意識の中にベタとして「ワシは弱者男性なんだ」という覚悟がない。むしろ、会社人間、組織人、とにかく家族をはじめ色々なものを背負い込んでいる人を「生きづらいだろうなぁ」と同情しているところがあります。そう言う側面では「彼らこそ弱者男性」ではないかという疑念があります。そうなると、僕は文句なく「強者男性」ですね。こう書くと若い人達の中にはネタに聞こえるかもしれないが、本当にベタに「仕事もないし、子もいないし、ワシには失うモノが殆どない、そんな背景があるからこそ、強者男性なのではないか」と思っている部分があります。
 実際、よく高い地位があって家族もあり、そんな知人に「お前はいいなぁ…」って羨ましがられることがあります。悩みを打ち明けられることもある。隣の芝生は無数の悩みに満ちている。勿論、幸せもあるでしょう。そんなもんでしょう。どこかで帳尻があっている気がしますね。
 意外とバブル以前の団塊の世代の人々で僕とそんなに離れていない世代で、僕のように無冠の子無しのノンシャラに生きている遊びと仕事が不分明な、中には年金受給の資格のない友人もいますが、それでも、会社人間、組織人間になることは「生きる上で失うものが多すぎる」と、時たま日銭を稼ぐギャンブルや日雇いで、何十年もいまだに生きている連中がいます。不思議と彼らは、いまでも、とてもいい顔をしている。その中のひとりの友人は男も惚れるし女も惚れる、でも彼はとてもストイックです。1DKのマンションに住んでいる(本来は女の子以外は断っていたのですが、大家さんが彼のことを気に入ったのでしょうね)のですが、そこで煮炊きをしない。外食なのです。大学生時代から何十年、インスタントラーメンさえ料理しなかったのです。本だけは沢山あります。彼には決然としたものがあります。社会に対してノンという全否定です。だけど宇宙(世界)は全肯定している。その徹底した潔さで暮らしている。社会を信用していないからこそ、人を信用します。
宮台はバックラッシュを「過剰流動性による不安」であるとしている。 
 僕はこの認識は正しく戦略的にも使えると思います。だからこそ、弱者男性(赤木さんの図式での)は徹底して「過剰流動性」を提唱すべきです。「正社員になることなんてどうでもいいではないか」、それよりフリーターであっても、分け前をより大きくする運動をする方が生産的です。まあ、そのような運動は徒労の可能性が高いでしょうね、ならば、自営を心がけることです。それか、ちっちゃな会社に入って実質的に自営と変わらない働きをして、自分の好きなようにすればよい、どうも、赤木さんの言う会社は上場会社で、会社ってつぶれないもの、「硬直性」という思いこみが強すぎる。
 僕は正社員の経験がありますが、生家も倒産したが、就職内定の会社が学校卒業する前に倒産、それで又、改めて就職試験を受けました。そこの会社で不採用になったのですが、社長に個人面談を請いどうして採用されなかったのか、会社訪問したら、専務が応接して、不採用が取り消しになり採用になりました。そんなこともあるのです。
 まあ、僕が就職試験を受けるところは大学の成績が悪かったので中小企業ばっかりだったこともあるのですが、会社って「つぶれるもの」という刷り込みがされていますね、「会社」そのものが、過剰流動性と無縁ではないのです。だから、最近は教員、役人になりたがる人が増え、ハードルが高くなったんでしょうね。確固たるものが国や地方自治体しかないとしたら、反バックラッシュ側の右傾的発言もわからなくはない。
 僕の最低限のモラルは「弱者」であるからこそ、「過剰流動性」を積極的に受け入れる。そのようなエネルギーを持つべきだと思います。そのような制度作りに宮台さんのようなエリートたちにロビー活動をしてもらい、法整備に近づく、それでいいではないですか、協力できる回路はあると思う。
 「専門家の考えを一般大衆に広く伝えられる存在」としてのミドルマンという概念を宮台さんは提示していますが、そのようなミドルマンと弱者達のリンクかな、そうやって、「ええじゃないか」と、「過剰流動性」を楽しむのです。宮台さんも書いているように「祭り」です。
 そうそう社員募集なら、このブログでリンクしている『風の旅人』さんの「ユーラシア旅行社」も社員募集していましたね、会社に入りたいなら、まず、ノックすること、そうでしょう。でも、入社したら、やはり、一人の人間として問われる。依存構造は関係がないです、あってもそれは病理構造の特殊法人みたいなもので、それを例示して会社人の利権を検証しても的外れになるのではないでしょうか。
参照:問題は「硬直性」にあるのではないか - Sound and Fury.::メルの本棚。