蒸し暑すぎます。せめて湿度を下げて!「バックラッシュ」

オンライン書店ビーケーワン:バックラッシュ!
 前日のエントリーで一時間、百を超える瞬間風速を初めて記録しました。でも後が続かない。ある種の期待心でアクセスしたら、「なんじゃぁ、こりゃぁ」と腹立たしく思った方がいらっしゃったかも知れない。逆にオーバーに拍手して下さった方もいるかもしれない。どちらにしろ、僕のテキストは僕の手から離れて良くも悪くも誤読に晒される。でもそのようなことは仕方のないことで、甘んじて受ける。そのような元のテキスト(あり得るものと想定されるもの)は書いた本人ですら、語り得ぬ残余であろう。そのことについて長々と書いても仕方がない。とにかくネタとしてあがった僕の表層のテキストをめぐって色々な人たちがアクセスしてくれたことに対してお礼を申し上げます。
 ◆メルさんが、『問題は「硬直性」にあるのではないか』ときついパンチを浴びせてくれましたが、赤木智弘さんもこの『硬直性』の不安を踏み台にして論究しているのですが、この『「硬直性」の不安』はよくわかります。僕の周辺の人たちでも赤木さんのテキストに共感を示した人が多いです。その共感鍵は『「硬直性」の不安』だと思います。
 世界解釈で、生命学の森岡正博氏が言い続ける『「無痛文明論」の無痛文明』と似た様な例示を感じました。森岡さんのキー概念「無痛文明」に共感を示した人は僕の知人でも多い。目から鱗が落ちたと思った人が多い。無痛文明論『「硬直性」の不安』もそのような視界良好のキー概念だなぁと、僕は赤木さんの論考に凄く感心したのです。でも、だからこそ、「無痛文明」からの脱出して次のステージに移行する考察が要請されるのと同じように「硬直性」の中に結果として安住してはいけない、次なることを語るべきだ。まあ、森岡さんは「無痛文明」に対する処方箋はない、いかにも調合されたものは偽薬であってそんなデマゴーグに騙されたり動員されてはいけない、個々自分で対処方法を闘い考えよということでしょう。にもかかわらず僕は「あえて」宮台さんの『「過剰流動性」の不安』にリンクしたのです。「無痛文明からの脱出」は無痛文明の中心に向かって主意的にアクセスするしか、出口はない、怪作『無痛文明論』で森岡さんは誤解を生む文脈で読者の個々にボールを投げてそれぞれがそれぞれに個々悩んで下さいということですが、『問題は硬直性にある』との分析が正しくても、出口が見つからないということです。むしろ、過剰流動性をより駆動させ家族共同体そのものの自明性さえ脅かす方向性がないと次なるステージにはいけないのではないかという僕の疑念なんです。僕は宮台さんの社会学者らしからぬ禁欲的でない主意主義的なところが好きですね、森岡さんは禁欲的です。まあ、禁欲的である方が学者としての振るまいでは正解でしょうね、でも、仲正昌樹さんもそうだと思いますが、アイロニカルな表現をしながら実は熱い、禁欲的であることに我慢が出来ない方だと思います。そこに惹かれます。表層でない方だと思います、そこが危うい、宮台さんもそうです。「超越系」、まあ、そんなところが僕にはあります。
 論点が不明確でバラバラでメルさんに対するレスにはなっていないかもしれませんが、機会があれば、このことについて話が出来ればいいですね、僕の宿題にして置きます。
 ◆>男性弱者が抱えている不安は「過剰流動性」とは正反対の「硬直性」です。「一度フリーターになってしまったら、正社員になることは、非常に困難である」ということです。これは一体どういうことなのだろう。
 メルさんは「会社」と「硬直性」を結びつけて論じていることが理解出来ないと書いていましたが、赤木さんのこのフレーズに対する僕の反応なのです。むしろ「硬直性」と「正社員になること」(会社)を結びつけている論考に対して違和を感じたので、あんな風に書いたのです。そのことが逆の誤読を生んだのであれば、仕方がありません。
 ◆>そうした中で「社会参加≒会社に入る」でしかないウーマンリブの論理は、
 むしろこの論理を無化にすべきでしょう。正社員であることが利権である以上という断定なんて足蹴りすればいいではないか、まあ、僕の現状認識は正社員は利権でない、『「過剰流動性」の不安』に晒されている。メルさん、赤木さんの言う『「硬直性」の不安』も同じ土俵ではないか、むしろ、世間体には正社員は『「硬直性」の不安』に晒されている、弱者男性は『「過剰流動性」の不安』に晒されているとも言えるのではないか、このあたりのことを、
 >正社員であることが利権である以上、ウーマンリブの論理が弱者男性から社会参加の可能性を奪っていることには違いないからだ。そこでは既に正当性は問題とならない。ただ「弱者男性という社会格差が存在する」そのこと自体が問題なのだ。問題はミクロなのであり、マクロ的な分析では誰も救われない。
 その「弱者男性という格差が存在する」という現状認識が間違っているかどうかのリトマス試験紙を赤木さんは【私は男女平等の実践として「私を養ってくれるお嫁さん」を募集します。】というスローガンで提示していますが、応募があれば面白いなぁ…、世の中には強者女性が弱者男性を養っている例はある。ただそれが珍しくもないあたりまえの例示にはなっていませんが、ないことはないとだけ言っておきます。僕は今、家事労働のスキルアップをはかっています。周りの連中はその家事労働に対して+の評価点を与えてくれています。でも、墓場がもう近いから僕にはこんな広報が出来ませんね(笑い)。
 しかし、あんまり男女平等について論究したもんだから、こちらからタオルが投げ入れられましたね、http://d.hatena.ne.jp/Backlash/20060713/p1

別の意味でいうと、『バックラッシュ!』という本の各論ではなく全体を、「男女平等」という切り口で批判したり批評したりする方は、オビはしっかり読んでいるけれども、本文をきっちり読んでいない可能性がある、ともいえそうです。もちろん、すべての批評がそうだとはいいませんが。オビのリードで盛り上がり、そのまま踊ってしまうか。本文をきっちり読んで、オビのリードは半分ネタなんだと気づくか。分厚い本なので、前者になってしまう気持ちはわかります。ですが、そこをなんとか踏みとどまっていただかないと、下手に「男女平等」を引き合いに出して『バックラッシュ!』を批評してしまった場合に、「ぜんぶ読んでいない」ということがわかってしまうわけでして……。『バックラッシュ!』のオビ文と本文の関係は、そんなひねくれた関係となっておりますので、みなさんくれぐれもご注意くださいませ。(笑)

 キツーイ一発です。又、汗だくになりました。
 そうそう、下のコメント欄に智弘さんでない赤木さんから再三カキコがあって仲正昌樹さんに対するメセージがありましたが、、『バックラッシュ!』を基点とするイベント実施されれば、仲正昌樹さんに是非とも参加して欲しいですね。

reds_akaki
『訂正原稿です。差し換えてくだされば感謝します。(筆者記:一回切りですよ、再度訂正はしない、面倒ですから、)以下訂正原稿
俺と勘違いされても迷惑でしょうから、氏の方は「赤木智弘」とフルネームで呼ぶべきでしょう。(智弘氏の当該記事を)流し読みした感想ですが、彼等を敵に回さない/幾許か味方にする為一つ取っても「バックラッシュの思想そして運動が、実際にはどのような政治勢力によって仕切られているかを(公開された)事実に基いて分析し、人々に伝える」振る舞いを、決して手放してはならない、仲正昌樹等がやる様な「それは陰謀論だから、それだけで駄目だ」という恫喝に屈したら、それだけで負けだと云う事です。智弘氏が挙げる人々でも、自分たちの踊りが統一協会に振り付けられたものだと知れば、かなりの確率で己を顧みるでしょう。
(追記)仲正昌樹云々は氏のわたし等への批判(実際には誹謗中傷)への反批判です、わたしも仲正氏の愛読者ですよ。だから激昂した訳で。此之処ずっとバタバタしてて、『バックラッシュ!』の実物を、視てもいません(追記2。購読しざっと読みました)
http://d.hatena.ne.jp/reds_akaki/20051116#p4
(追記3)鏡の法則について
http://d.hatena.ne.jp/kaien/20060703
http://www.arai516.com/blog/2006/07/post_e7bc.html
仲正昌樹に告ぐ バックラッシュ統一協会だと指摘して何が悪い』
重複しますので、コメントの方は削除します。

 もうひとりの赤木さんのコメントでした。せっかく購読したのですから、ざっとでなく、じっくり読んで下さい。 
参照:http://d.hatena.ne.jp/serohan/20060712