「形」と「心」の問題

◆昨日の毎日新聞夕刊の記事はとても心に引っかかりました。勿論、一面は【昭和天皇が不快感】、【A級戦犯靖国合祀で発言】、【元宮内庁長官の88年のメモ 参拝中止「私の心だ」】、でも、小泉さんのコメントはみんなそれぞれ、「心の問題」だと言う。靖国参拝がどうして心の問題なのか、相変わらずその説明がない、僕は共謀罪に疑念を持つのは「心」を罰しようとしているからであって、その肝心の法案提出の責任者が「心の問題」だとシレっと言ってしまう。矛盾しているではないか、靖国参拝は目に見える行為ではないか、それどころか、世界中に発信され単なる行為から政治行為すらなっている。
参照:イッセイ尾形が昭和天皇を演じる映画『太陽 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」
鈴木邦男富田メモを語る。http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/2006/shuchou0724.html
 頼むから「心の問題」なら、こっそりと、みんなの目に触れないところで参拝して欲しい。畠山容疑者が「心の闇」を抱えたままなら誰も罰することが出来ない。「形」になったから罰することが出来たのです。「不快感を示す」ことも出来る。
ES細胞研究費法案署名をブッシュ大統領が拒否
 法案の拒否権行使は大統領就任以来初めてだと言う。メッセージ性が強い、「同法案は医療上の恩恵を求めて無辜の人命を奪うものだ」と批判。僕はこの問題に関しては明確な結論を持っていなくて両方それぞれの言い分もわかるなぁと言う弱いものですが、びっくりしたのはアメリカの覇権を考えるなら、逆にES細胞研究費法案を可決の方に向いてしかるべきなのに、そうでない、「無辜の人命」に思い入れたっぷりの発言をする。この大統領も「心の問題」を最優先する、政治家であるより前に熱烈なクリスチャンなのですね、「そりゃあ、お金より人命が大事です、ブッシュさん!」
OECD 『日本 「非社員を冷遇」』 年次報告 所得格差、詳細に分析
 経済協力開発機構OECD)の日本経済の分析は的を得ていますね。所得格差の原因は企業が雇用保護の手厚い正社員より非正社員を雇う動きを強めたことだと言う。従業員に占める非正社員の割合が95年以降の10年間で19%から30%以上まで上昇しているのです。その非正社員は時間当たりの賃金が正社員の40%程度。
 提言は非正社員への社会保険制度適用を拡大すべきだと述べている。いいことを言いますね、外から言われなくとも率先してやらなくては、そのためには労働組合が積極的に動くべきでしょうね、労働者=正社員ではないのです。労働者>正社員です。
 高齢者に偏った社会保障のあり方を見直すように求めているが、持ち家があれば、老夫婦で月20万円の年金なら充分貯金が出来ます。まあ、僕の場合は老母子ですが、合計月20万円でおつりが出ます。医療制度、老人ホーム、介護センターの公施設を充実させれば問題ないでしょう。月20万以上の年金支給は多すぎます。それ以上は社会保障に還元させるシステムを構築すべきでそう。まあ、こんなことを書くと異論、反論があるかもしれないが、何とか限られた富を公平に還元させるためには非正社員の問題を「心の問題」に還元させて自分たちの既得権を意地でも守ろうとする愚は避けたいものです。
 「父親か母親しかいない世帯の貧困が、他の先進国よりも進んでいる」として、貧困を固定化させないために低所得者向けの教育制度を充実させることを述べたとありますが、早急にやるべきでしょうね、少子化問題ともつながっている。しかし、現実的な解決策の一つに老夫婦と母子家庭が同居すればという選択肢がありますが、殆ど、こういう選択はしませんね、畠山容疑者は生活保護費が支給されていましたが、同居世帯ならダメですからね、僕の知人で姉弟と同居しているのですが、お姉さんは障害者の認定を受けているのですが、色々事情があって障害者の年金の受給対象にはなっていない、行政の判断ではお姉さんが弟さんと別居してアパートを借りて貯金が50万円以上なければ、生活保護費を支給できるでしょうとの判断ですが、弟である知人は自分が面倒を見ると頑張っているわけ。そのような事例は多いと思う。冷たくお姉さんを突き放せば行政が面倒を見てくれる。でも、出来ない、「心の問題」があるわけですよ、その中間で弟も面倒を見る、行政も多少の援助をする、そんな「形」が欲しいですね。