好きなことを語って欲しいのです。

きょうの猫村さん 2
 今、先ほど、身内の結婚式から帰ったところです。新郎は40歳。新婦は34歳ともはや十二分に社会生活を送った大人の男と女で、心からエールをおくりました。僕自身はとうとう結婚しなかった。そのことに対してとやかく言ったって仕方がない。何故そうなったのか、縁であり、流れであり、そのことに対して思想なんてありやしない、保坂和志が「働くことには思想はいらない」とよく言っていますが、「結婚(すること、しないこと、)には思想がいらない」と言うのが僕のスタンスです。
 他の人がどう考えているか知らないですよ、ただ、トラバしてくれた赤木智弘さんが、僕のブログのコメント欄からてるてるさん、serohanさんに対してサヨク云々とカテゴライズして批評していますが、お二人はサヨクなんですか?っとこちらから問いたくなりました。勿論、ウヨでもないでしょう。そんなもん、どうでもいいじゃぁ〜ん、
 実際、どうして赤木さんが怒るのかわかりませんでした。恐らく僕は鈍感なんでしょうね。でも、下記のメッセージは「幸せ言説を除いて」はよくわかります。

 [……]宮台先生が「フリーターがフリーターのままで幸せになれる社会」を標榜し、我々をフリーターという職種に押し込めようとするように、今後は産業界でも「弱者のため」と称しながら、我々を決して幸せになれないライフスタイルに押し込めようとする勢力が増加していくでしょう。というか、パソナなんかが既にそういうことをやってますね。 そうした中で一方に(戦後)伝統的な家族社会は正社員層によって存続させられ、格差は確実に固定化していきます。
 そうした状況において、我々弱者ができることは、なるべく早いうちに伝統的な家族社会に入り込んでしまうことです。
 自立という「威勢」を重視するのではなく、そうした環境からさっさと逃げて家庭に入ることの方が、はるかに自分を守ることに繋がるのです。
 だから私はお嫁さんを募集していますし、私のような男性と結婚することは、現在仕事を持っている女性にとっても、伝統的な家族社会の側に入ることを明示できるために、この格差社会において自分のランクを高いほうに固定できる可能性が高いのです。家庭に入るために仕事を捨てなければならないなら、多少のオルタナティブ性をおいても、主夫を手元に置いておいたほうが仕事は安泰です。
 そういうわけで、私は弱者にレッテル張りをしたいサヨク層から、いくら誹謗中傷をうけたとしても、自分の尊厳を守るためにも、私を養ってくれるお嫁さんを募集し続けます。あなたは独身であることを責められたりすることはなくなりますし、私も幸せになれます。二人で幸せになりませんか?

 >我々を決して幸せになれないライフスタイル、
 でも、我々でなく僕(赤木さん)ならわかるのです。「幸せになれる、ならない」ライフスタイルなんてあるのですか?僕はそんなものはありやしないと思っています。僕は別に赤木さんに弱者のレッテル貼りをしているわけでなく、てるてるさんもserohanさんもそうだと思いますが、赤木さんが自分で弱者とレッテル貼りをしているから、そうか、そういうポジションから叫んでいるなら、年上としてそれなりの生活の知恵としてこんな処方箋がありますよと、提示しただけで、それ以上の意味はないと思う。
 僕やお二人は武田さんや、宮田さん達と違ってリアルな赤木さんを知らないので、多分見当違いのことを発信したかも知れない。
 一つ、言いたいことがあります。僕のもっとも基本的な社交ですが、批評、中傷の言論を通してはその人のことは全くわからない、それよりは、その人が大好きなもの、例えば、茂木健一郎さんは小林秀雄が好きで、そのことで茂木さんの一部が理解出来るわけです。武田徹さんにも師と呼べる人が沢山いますね、その人たちについて愛情を持って語ってくれると、聴き手、読み手の僕にもその歓びが伝わって、その歓びの回路を通して相手を理解するわけです。
 僕が今一番訊きたいことは、そのような歓びが赤木さんにもあったはずだ。あるはずです。ささやかなことでもいい、身の丈のことでいいではないか、好きな映画の話、好きな小説の話などを熱く語ってブログアップしてくれれば、少しは赤木さんのことがわかると思う。怒りにはなかなか共振でき得ないものです。歓びを通して出会いの回路が出来る(クサイですか?)
 お嫁さん募集はいいことです。その前に好きなこと、好きなものを沢山、語って欲しいのです。勿論、どんな人が好きか具体的に書いてもらうと、尚、結構です。そうすれば、赤木さんに共振出来る回路が敷設される。
 上で簡単に幸せについて書いているでしょう。幸せ、愛情も形あるシステムで解決出来るんだ、それがわからないのです。幸せ/不幸せは二項対立ではないでしょう。僕は若い頃から幸せについて考えたことはないですね、考えたって仕方のないことですから、マニュアル化出来ないものなんですから、赤木さんの書いていることは、「情の問題」を「理屈」で解決しようとしている振る舞いでしょう。
 前日、ヒグラシさんが提示した三段階から言えば「情」を「理屈」で解決しようとするのは困難であるけれど、とても大事なことだとおっしゃっていたわけですが、それは表出でない「表現の言葉」が要請される。理屈だけでは「表現」に架橋出来ないのではないかという疑念がず〜と僕にはあります。マニュアル言語で「表現」なんかできやしない。
 そのあたりのことを赤木さんがどう考えているか、武田さんも宮田さんもフォローしていましたが、本当によくわからないのです、お二人はリアル場で赤木さんのこと知っているから言外の余白を発信したのでしょうが、僕は一度も本人に会っていないから、肝心なことが受信出来ないのだと思う。このような状況では赤木さんのことは語らない方がいい、会ったら又語るようになるかもしれませんが、今の段階では、口チャックです。だからもう、小か大の休止です。
 参照:http://d.hatena.ne.jp/serohan/20060821
 僕のマイミクでネットで知り合ったおしょうさんのご子息、「遊雲くん」の句は間違いなく表現になっている。僕を揺り動かします。
川が好き 川にうつった 空も好き