カポーティ

オンライン書店ビーケーワン:冷血
 もう、梅田ガーデンシネマ「でカポーティ」は上映されていたんだ、
http://www.sonypictures.jp/movies/capote/
 観ました!予想以上に良かったです。
 カポーティ役のフィリップ・シーモア・ホフマンの演技は生々しいリアル感でした。もちろん、実際のカポーティを知らないのですが、『冷血』などの作品を通して僕の中に何となくインプットされているカポーティ像が声(独特な喋り方、甘くて、ボーイソプラノ?、この映画のキモでしょう。だから、日本語音声で絶対見る映画ではないですよ、英語の聞き取りの心許ない僕でも、粘り着くというか、直に皮膚に刺激するホフマンの声に良くも悪くも震えがきましたね)や、ホフマンの表情、身振り、所作などで、肉付けされ、圧倒的なリアリティを獲得したというわけ。
 その前にイッセー尾形の『太陽』を見たのですが、この映画においてもイッセー尾形の「昭和天皇」が生々しいリアリティで、「演技しているつもりが、演じされているといった」、スクリーンに「一人の天皇」が存在しているとの目眩を覚えたのですが、この「カポーティ」もそのような恐るべき「一人の作家」が「ここにいる」との圧倒的な存在感なのです。
 映画はやはり役者の演じぶりで映画そのものの成否の大部分が決まるとの感を改めて思いました。
 チラシの言葉:何よりも君の死を恐れ、/誰よりも君の死を望む。