褐色のブルース

うたかたの日々 (ハヤカワepi文庫)日々の泡 (新潮文庫)うたかたの日々成功したけりゃウソをつけ!
 約束通り『黄泉の犬』のbk1書評投稿をしました。そもそも、最初に投稿したのが藤原さんの本でした。僕が大昔よく口笛を吹いていたメロディーに映画の主題歌『墓に唾をかけろ』の中から「褐色のブルース」がありました。藤原さんの自叙伝でこの映画について書いているくだりがありましたね、生家が倒産した60年、アベさんのお爺さんである岸信介強行採決した安保の年であったのですが、僕にとって見知らぬ土地への引っ越し騒ぎでした。藤原さんも全く同じ1944年の早生まれで、僕は呉港で藤原さんは門司港で少年時代を過ごした。そんな彼が『この映画』を同時期見て、同じように「褐色のブルース」の口笛を吹いていたとの発見が、ちょいとした驚きの発見でした。まあ、それ以降の生き様は全く異なる。
 僕は日本を脱出しなかった。するつもりでもあったのです。ヨコハマの新聞専売所に転がり込んだ頃、フランス国籍の貨物船が雑用係を求人しているのを新聞で発見したのですが、同じ紙面にカタカナの店名の本屋さんが当時、ワンフロアー230坪という当時では巨大フロアーで、関内駅に隣接の流通革命の先駆けのスーパーマーケット理論を基軸した新しい方式の本屋さんを立ち上げたのです。そして、貨物船にのるのをパスして本屋さんに就職したわけです。1968年の頃の話ですよ。
 そうそう、この映画の原作者はボリス・ヴィアンですが、文庫の方は絶版になって、全集版であります。しかし、この映画の試写会を見てあまりのひどさ(原作者にとって)に怒り心頭して、その夜、心臓発作で亡くなったという有名なエピソードがありますね。享年39歳で、彼自身は40過ぎまで生きるつもりはなかったのですから、本望だと思うのですが、怒って、心臓発作で死ぬのは本望ではなかったでしょう。無念。
 邦題は
『日々の泡(うたかたの日々の邦訳もあるらしい)』なのですが、ひょっとして、ソネアキラさんのブログは『うたかたの日々』で、ここから由来するのかなぁ、そう言えば、ソネさんがライターの一人として加わった『成功したけりゃ嘘をつけ!』(辰巳出版)が発売されますね、bk1のデータはアップされてはいるが、店頭に並ぶのは休み明けなのでしょうか。