希望の塔、バベル

 映画『バベル』を見ました。菊池凛子の叫びが最初の一発の銃声につながり、世界は不条理な哀しみに満たされますが、無数の言葉が、聞き取れないが故に意味以前の始源に誘う。音がまぐあい、希望の萌芽が感じられる。哀しいんだけれど、ディスコミュニケーションだからこそ、人を許し、好きになりたいと感情の濃度が高まった映画でした。四つの物語は、それぞれの無数の物語に繋がるだろうし、この取るに足らないかもしれない、オヤジの物語も誰かの物語につながっている。ディスコミュニケーションだからこそ、僕らの欲望は他者へ向かう。外へ向かう。モロッコ、日本、アメリカ、メキシコ、の足跡はあらゆるところに繋がる。
 ◆日本語の会話の部分にも字幕がついていたんだ、改めて気がつきました。鑑賞中、全然、そのことを意識していなかった。この朝日新聞の記事で、そうだったんだと知ったわけです。
 参照:再び「バベル」http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=91038&log=20070430
『バベル』----言葉の壁、心の壁♪http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=91038&log=20070428
    追記----『バベル』についてhttp://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=91038&log=20070429
★マイミクさんが、『バベル』で、『メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬』を思い出したと書いていましたが、この映画はまだ見ていない。脚本が『バベル』と同じくギジェルモ・アリアガで、『21グラム』もそうなんだよね、両方とも、ストーリーの記憶があるから、見よう見ようと思いつつ、見のがした映画なんですよね、DVDで見ることにします。
メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬 スペシャル・エディション [DVD]21グラム [DVD]