月刊「オルタ5月号」が届きました。

kuriyamakouji2007-05-17

 通販で「オルタ5月号」が届いたのですが、やはり、店売で、その都度本屋にぶらりと寄って気に入った号を気ままに購入したいものです。僕はネットでいまだ本を買ったことがないのです。bk1の場合はポイントがあるから、それを使っているだけで、リアル書店でしか本は購入していないのです。
 僕にとって本屋の空間が散歩に適したコースであって、買うにしろ買わないにしろ、楽しいところなのです。だから、通販って、何か物足りないのです。
  月刊『オルタ』の「販売店」は東京・名古屋にあるけれど、他の地域でも取り扱い店が欲しいですね、いちど、全国縦断で、バックナンバーフェアがやれないのだろうか?
 いつか、本屋さんで、月刊『オルタ』が買えるようになればいいなぁ…。
 参照:書籍出版 双風舎
 まだ、全部読んでいませんが、赤木智弘×雨宮処凛の対談が面白かったですね。特に「左翼が切り捨てきたもの」は、そうか、彼らの左翼に対する違和感、不信感はこのあたりにあるのだと、とても具体的な気づきがありました。ちょいと引用してみます。

雨宮 (略)年長の左翼の人なんかは、私が去年のメーデーに行って、プレカリアートのことを言うようになっても、返ってくる言葉が安倍が言うところの「再チャレンジ」とかと同じなんです。友達がいるじゃないか、働かなくても月10万円でも楽しく生きていけるじゃないか等々。なんか、貧乏人は貧乏人でやっていけってな感じで、すごい切り捨ててるんですよね。金のことなんかガタガタ言わずにもっと大義を語れ、みたいな。生活のことで騒いでいる若いやつは本当にダメだ、みたいな言い方をされたのね。それで、私も左翼が安定労働者の権利を優先して、若い人を見放した、見捨ててきたというのには、かなり憤りはありますね。
赤木 やっぱり権利を「守る」ことを前提に考えているから、口先だけ立派でも何か自分たちが不利益を受け入れるという覚悟とか全然ない。たとえば、ワークシェアリングとかベーシックインカムっていうことに対しても、左翼の人がワークシェアリングしようって言った場合、自分の仕事を譲るかといってもたぶん譲らないし、ベーシックインカムのために増税したらどうなんだって話をしても、たぶんそれには応じないと思うんですよね。
雨宮 団塊の人なんかに説教されるわけです。フリーターは企業の奴隷なんだから怒れよとか、人がよすぎるんだとか。じゃやああなたが雇う側だったらどうするのかって。そうしたら、その人すごい困っちゃてた。10分後くらいに「全員正社員にする」って言ったので、あなたの給料が下がってもいいんですね?と聞くと、黙り込んで、何にも言えなくなってしまって。その人はまだ正直な方かもしれないけど、結局自分が損をするのは嫌なんだな、というのはわかりますよね。
 労働組合でも年老いた人なんかは、派遣を入れたくないって普通に言っちゃうんですよ。派遣の若い人の権利とか言っても、あいつらダラシナイし、そんな人間の相手してらんないよ、みたいな。組合も上の人がそう言ってしまうので、助けてくれないんですよね。そういう疎外されてきた歴史が10年ありますからね。
赤木 どこで出たんでしょうね、若者やフリーターがいい加減だっていうイメージは。
雨宮 そこなんですよ……
赤木 自分はやっぱりバブル期にフリーターが登場した頃、人手不足の中で働いてもらうことを会社の側からお願いしなくてはいけなかった時代に、その時代のフリーターがたぶんチャランポランだったんだと思うんですね。それが尾を引いている気がするし、多くの人がそういう冷ややかな目でフリーターを見てますよね。自分の好きなときだけ働いてっていう。実際は働きたくても働けない、入れてもらえないってのが現状なのに。
雨宮 派遣をやってる人で、すごく正社員になりたいのに、周囲の認識は、どうせ責任を持ちたくないから派遣を続けてるんだろ、と。実際は正社員と同程度の責任を負う場合が少なくないのに、ただ給料だけは凄まじく違う。でもやっぱり気楽でいたいからじゃない、あの人は、といった済まされ方が多いですよね。気分の問題ではない、というところをわかってほしいんだけど、そこがわかってもらえない。もちろん一定数はあえてフリーターをやってる人もいますけど、夢追いながら。でもその後に、出口がないですからね。夢あきらめたあとは、死ねと言ってるような状況で。

 今晩、NHKのクローズアップ現代で、「ワーキングプア・米国の警告」をやっていましたね。「将来の日本の姿」とも言われるアメリカの実態から、日本は何を学ぶべきか。ジャーナリスト・シプラーさんとともに国谷キャスターが問題提議をしていました。貧困の問題は豊かな人々も、貧しい人たちも最優先で解決すべき問題だという了解があまりにも声高に表に出ないことにあると思う。
 だってそうでしょう。殆どの人が今より豊かになりたいと願っており、身近な自分より貧しい人を何とか自分に近いところまで引き上げてやろうと手を差し伸べる行動を最優先の規範としている人が少なすぎるということであり、僕自身だってそんな崇高な規範を持ち得ない。
 当事者が声高に叫び、行政が強い意志で、政治解決するしか貧困問題は糸を解すことしか出来ないとしたら、新たな問題が引き起こされるだろう。今の段階では僕には実現可能な解決策がありません。
 ただ、貧しさはビッグイシューする根拠になりえるのだと、堂々と自信を持って欲しいですね、卑屈になるべきではない。