あそことここの、ランチセットは食べ飽きました。

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 リベラリスト内藤朝雄さんのインタビュー記事がアップされていますね。
 内藤さんの言うように右派、左派問わず、特殊日本的な「右と左」の冷戦型思考の「論点抱き合わせセット」をやめて、自由なトピックの組合せを柔軟にやるべきでしょうね。
 過去の『戦争と平和』のエントリーで、『STUDIO VOICE・8月』の小熊英二×雨宮処凛の対談を引用しましたが、この[論点抱き合わせセット]に繋がることを喋っています。

小熊 それから既存の左翼が支持されない理由の一つは、「サヨクのワンセット」みたいなものを、いわば押しつけようとするからじゃないかな。「若者の貧困や格差に反対ですよね?」「はい」「それじゃ靖国参拝や日の丸掲揚にも反対でしょ?」「いや、それは……」とかいう場面はありませんか?
雨宮 あります。プレカリアートにとって生存権は大事だけど、それを左翼の人に話すとすぐ他の問題と結びつけられる。「こっちが生存権の話をしてるのに、何でそれと関係あるの」という思いは何度かしました。
小熊 (略)本当はそんなワンセットは昔からのものじゃないんです。70年以前は、アジアへの戦争責任なんて左翼はほとんど言ってなかった。55年以前は、社会党には「この憲法は貧困からの自由が書かれていない。改憲すべきだ」という意見が多かったし、共産党は「この憲法天皇制を認めているから反対だ」と唱えていたんですよ。

 かような小熊さんの知見は『<民主>と<愛国>』の労作を読むことによって、もっともっと、深く知ることが出来るのでしょうね。

小熊 55年に自民党という改憲を掲げる超強力保守政党ができたので、対抗するためにとりあえず護憲で大同団結したんです。最初は自覚的に戦術としてやったんですが、40年たつうちに最初の経緯は忘れちゃったんでしょう。55年体制の間はそれでもすんだろうけれど、今でもワンセットを若者に共有させようとするのはどうだか。

小熊さんは右翼にもカツを入れる。ワーキングプアの人がたくさんいる一方で、自民党在日米軍の再編に30兆円も出資すると決めた。もし戦前の二・二六事件を起こした青年将校たちがこの状況を見たら、怒り心頭に発するでしょうと。

小熊 […]そういう右翼はあまりいませんよね。それに、右翼や保守も「ウヨクのワンセット」を押しつけようとする傾向がありませんか。「君は日の丸は好き?」「はい」「じゃあ自民党構造改革規制緩和にも賛成だよね」「いや、それは……」(笑)。
 私は既存の「サヨク」「ウヨク」のワンセットは、現代の若者の不満の表現手段たりえなくなっていると思う。それで表現手段のない若者が、鬱病になったり、「ムカつく」としか言えなくなっている面がないだろうか。

 こうやって読んでゆくと、既成政党のアンテナの鈍感さに苛立ちますね、

小熊 人間の意識や言葉は簡単に切り替えられないから、社会の変化より遅れる。今は社会の現状にみあった言葉や表現形態が生み出されていないと思います。でも実際の運動は、勝手に新しい表現をしているんですね。

 ランチセットより、幕の内弁当、いや、「シュウマイ弁当」を食べたくなりました。