ささやかに、学問バトンを…追記

 id:seijotcpさん作成の前日学問バトンを一球も投げないでid:massunnkさんに中継ぎしましたが、やはり後ろめたいものがあり、せめて、たった一球でも回答を捻りだそうと、知恵を振り絞って、
 ●あなたが影響を受けた本とその理由を、何冊か挙げてみてください。
  を、ささやかながらトッピングとして追記しました。
◆エーリッヒ・フロムの『自由からの逃走』
何故か、知り合った若者にこの本を贈りたくなるのです。それで、愛読書なのに今、本棚にないのです。東京創元社ですね、自由の問題をちゃんと考えるようになった最初の一冊です。
種村季弘の『黒い錬金術
桃源社版を持っていたのですが、これがなくなって、白水版を持っていたのですが、どういう経由にだったのか思い出さないのですが、白水社に電話して新書版が欲しいなぁとリクエストしたことがあるのです。だからと言うわけではないのですが、白水Uブックスで発刊されました。持っていたのに棚にないからには、これも誰かにあげましたね、もうこれも手に入らないみたいですね、
今回芥川賞をもらった諏訪哲史さんは種村さんに師事したらしいですね、僕は種村のファンだったので、『アサッテの人』を読んでみたいですね。
松岡正剛監修『情報の歴史』
 一番、身近に置いている本です。辞典は電子辞書、百科事典はウィキペディアで間に合うのですが、適当な年表ってないんですよね、この年表は読んで面白く、見て愉しいし、色々な発見もあるのです。ただ、残念なことに1995年で終わっている。阪神大震災、オウム・サリン事件そして、野茂が大リーガーで、奪三振王、新人王の記事です。1996年からの「失われた10年の年表」をセイゴーさん、作って下さいよ、増補版でもいいし、続編でもいいです。CD-ROM版でもいいですよ、今検索したら、もう手に入らないですね、こんなに調法な年表なのに、なんで?
半村良の『太陽の世紀』
 この本が発刊されるたびにワクワクしていました。半村さんの構想では確か88卷ぐらいになるということで、完結すれば間違いない世界一の長編小説になったでしょう。なのに道半ばにして逝ってしまったことは、本当に残念でした。この本も新刊では手に入らないですね、でも、ブックオフで見かけますよ。
保坂和志『小説の誕生』『小説の自由』
 こちらは『新潮』の“小説をめぐって”というタイトルで連載中ですが、エッセイなのか、論考なのか、でも、やっぱし小説、メタ小説なのでしょう。保板で保坂さんは確か30年構想を延べていたので、こちらも延々と続くと思います。保坂さんは不思議な人ですね、精神分析医の斎藤環さんは、そのラカン?的手法で小説家を見事に分析してその手際の良さに感嘆しましたが、何故か保坂和志さんにはお手上げらしい。そりゃあそうでしょう。猫にはラカンも通用しません。ちなみに斎藤環『文学の徴候』に詳しく論じられています。
小島信夫の『寓話』
 本書は保坂さんが「プロジェクトK」というチームを組んで(殆ど素人なのですが)、立派な復刊本を作りました。保坂さんの小島信夫に対する敬愛の念は、まさに、「意味より強度」です。小島信夫の全作品読破は、自信がありませんが、一冊でも多く読みたいとは思っています。
内田樹『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』
 内田さんの本は多いですね、その内から一冊と言えば、文句なく本書を薦めます。
◆最後に保苅実『ラディカル・オーラルヒストリー』です。
学問バトンに相応しい人だなぁと思うのです。保苅さんは逝ってしまったが、本書を残してくれたことに、見えない誰かに感謝したい気持ちになるのです。
 保苅さんの灯火のバトンが消えないように、(ちょいと、センチだなぁ、勘弁)。
自由からの逃走 新版種村季弘 (KAWADE道の手帖)情報の歴史―象形文字から人工知能まで (BOOKS IN・FORM SPECIAL)半村良 SF伝奇ロマンそして… (Kawade夢ムック)[rakuten:book:11900678:image:small][rakuten:book:11469771:image:small][rakuten:book:11313857:image:small][rakuten:book:11308980:image:small]ラディカル・オーラル・ヒストリー―オーストラリア先住民アボリジニの歴史実践
 追記:id:oyamasahitoさんにバトンを渡します。