書記:バートルビ「ごめんこうむります」

バートルビー―偶然性について [附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』

バートルビー―偶然性について [附]ハーマン・メルヴィル『バートルビー』

杉田俊介氏の『無能力批評』を読んでいたら、メルヴィルの『書記バートルビ』をちゃんと読まないと先へ進めないと思い、食材の買い物ついでに図書館に寄って『筑摩世界文学大系36巻のメルヴィル阿部知二訳』を読了したら、僕の本棚にアガンベンの『バートルビー 偶然性について』(月曜社)が積ん読されていた。それには付録として高桑和巳訳の『バートルビー』が収められている。阿部知二訳は「ごめんこうむります」の執拗なリフレーンを行い、その言葉が幻聴のようにこだますると言った効果があるのですが、高桑さんは文脈にあった正確な訳を心がけたのでしょう。「しないほうがいいのですが」を基軸に微妙に言い回ししている。確かに誠実ですが、阿部知二の訳には、怖さがあります。
ごめんです。
 ああバートルビ、ああ人間!m(__)m
 ああシガー、ああ悪魔!m(__)m*1
 ♪バックラッシュ、とすら呼べないような - sugitasyunsukeの日記杉田俊介×赤木智弘のコメントを読む。

*1:映画『ノーカントリーに登場する殺し屋シガー』