橋下府知事様、「希望は、聖域なき改革か?」

 先ほど、『大阪維新』プログラム案に対する「パブリックコメント」を投稿しました。(2008年6月20日 午前10時11分49秒)
 同文をこのブログでも公開します。大阪維新スタッフのみなさんがこのブログを見るヒマがないとは思いますが、ひょっとしたら、ひょっとするから、この拙文を叩き台にしてコメントカキコして下されば幸です。

 大阪府労働情報総合プラザが廃止になるかもしれないと言うことを聴いて驚きました。数少ない民間委託の成功例だと思っていたからです。偽装請負、派遣労働、ワーキングプア、貧困など労働にまつわる問題が根元にある事態が大阪では多々見受けられると思う。
 先日のあいりん地区での暴動、野宿者問題、自殺者も全国で10年連続3万人超という警察庁発表がありました。大阪は07年度では自殺者数2241人、前年より289人も増えています。生きづらい地域になっていることは間違いありません。大阪におけるセーフティネットのインフラが劣化しているのでしょうか。
 せめて、働く人々に優しい労働環境を構築することでもかような事態を防ぐ一助になると思う。大阪は中小企業の町です。労働組合さえない事業所がほとんどでしょう。労働問題は日常茶飯事に起きる。そのように軋む労働の場で色んな人が出会い、学習する情報スポットは社会の底が抜けないように支える場所でもあります。貴重な未来に繋がる「労働にまつわるデータ」は分散ではなく集積して始めてその資料効果が何倍にも上がる。
 「普通に働く人が、普通に働けない人も、それなりに相互扶助しながら、幸せになれる町をつくること」、そんなインフラのスポットである地味であるけれど必要な働く人の情報プラザが何故、廃止の対象となるのか、どうしても理解できません。
 聞くところによると、情報プラザが発足した当初と比べると入館数が4倍にもなっていながら、民間委託になって、約1/5の経費削減になったというサプライズな実績をあげたと聞き及んでおります。
 橋下改革の基本は成果主義を取り入れて少なくとも年齢給から職務給への移行に見られるような聖域なき改革だったはずです。勿論、道州制導入と国からの財源譲渡しか最終的な解決策はないとは思います。だからこそ、次の高いステージで闘うためには、そのような成功事例をあっさりと切ってしまうことにはどうしても納得がゆかない。
 まさか、府知事就任以前の成功例はむしろ自分自身の政治的ゴールにならないから切るんだという理不尽さが聖域なき断行の隠された動機だとすると哀しいことです。勿論、そんなことはないと信じます。スポーツマンとしての公正さをなにより尊ぶ知事には私の言っていることは理解が届くはずです。ー文責栗山光司ー

 【資料】

項目 知事 議会 職員 民間委託 府民 コメント
(A) × × 大きな政府予算8000万円
(B) × 小さな政府パッシブ予算1500万円
(C) EU
(D) バブル期の日本
(E) × 官から民へアクティブ予算2000万円
(F) × × × 府議会は来月です。生命維持予算1400万円

 このように、おおよそ、8000万円のコストがかかっていた運営が上の図表では、Aモデルですねぇ、それがBモデルに移行したわけです。府民(図表の府民は僕のことと思って下さいw)もまあ、△印の評価で、ただ職員の仕事がなくなって×印になったわけですが、大体、職員の人件費の1/5位のコストで民間委託されたわけ。でも、利用者の数は4倍にもなった。約1500万円のコストで運営したらしい。大成功だったのです。その実績から、積極的な図書館運営に方針が変わりEモデルで予算が2000万円になったのです。積極的運営というアクティブ運営に切り替わったわけ。
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