いきな大人になりたいもんだ

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

「いき」の構造 他二篇 (岩波文庫)

草食系男子の恋愛学

草食系男子の恋愛学

id:kanjinaiさんが、自著の『草食系男子の恋愛学』について、書評を採録してブログ上にアップしていますが、レビュー、コメントを読みながら、何故か、棚にあった九鬼周造の『いきの構造』を読み始める。何か僕の中に「いきなおのこ」は草食系男子で、「野暮なおのこ」は肉食系男子ではないかと思ったからです。「いき」の構造は「媚態」と「意気地」と「諦め」の三契機を示していると言うが、「いき」/野暮は、男にも女にも通用するもので、いきな人、野暮な人って言うことになるわけで、森岡正博氏の本書とは切り口は全然違うと思いますが、僕の中には、それなりに『いきの構造』を読みたくなった気分は僕なりに「わかる」って、ひとりごちしています。
昼間、モール街のスタバで『いきの構造』を読みながら珈琲していたら、20歳代の女の子に声をかけられた。「あの〜、席を替わってくれませんか?」、一瞬、スタッフの女の子かと思いきや、そうではない、お客さんでした。何で?、「そこにコンセントがあるんです」、どうやら、ケイタイの充電か、ノートパソコンを使いたいらしい。ニコニコしながら言うもんだから、いいよ、ってことになって、珈琲カップと本を持って移動したが、しかし、度胸があるよねぇ。こういう女の子は多分、草食系ではなく、肉食系だと思うけれど、「へ〜ぇ、こんなところにコンセントがあるんだ。オレも今度使わせてもらうよ」って言っちゃったが、嘗められたかなぁ、コンセントは柱にあって、彼女は柱にゆったりとした気分でもたれてフラペチーノを嘗めていました。
まあ、そろそろ退店する頃だったので、別段支障はなかったけれど、どうして、こんなに女の子は元気があって度胸があるのかねぇ、おまけに愛嬌もある。
オレは草食系ではなく、去勢のジジィだけど、「いきなジジィ」にはなれるかもしれない。
「いきな大人」が少なくなりました。誰がいるだろうか、男であろうが、女であろうが、ヘテロであろうが、なかろうが、諸々でありながら、「いきな大人」になれると思う。
そうか、丸山健二がいました。
日と月と刀 上

日と月と刀 上

参照:日と月と刀(丸山健二) - My Life Between Silicon Valley and Japan