聖域なき改革の足音


青山ブックセンター破綻…再建支援にブックオフ浮上という記事にはビックリしましたが、本当にブックオフが引き受けるのか様子を見たいと思います。
もし、ブックオフなら、出版流通業界のこれまでの流れを変える大きな一石になると思います。
小泉改革でも聖域として規制緩和から「文化を守る」と言った、茫漠として恣意的な大風呂敷で新聞・出版においては「再販維持制度」を維持いてきましたが、それも危うくなる出版史上の事件となり、単なる一社の問題に終わらないと思います。
郵政は民営化しても、新聞・出版流通業界はなんとか持ち堪えたきたわけですが、そうも言っていられない状況になった気がします。
ブックオフはもちろん上場企業で、再販維持制度なんて関係ない新中古書店です。 しかし、大取次をはじめ大出版社は端から上場するつもりがないでしょう。
先日、小田光雄出版状況クロニクルが更新されましたが、例えば、読者の一人として応援したい出版社に一株主として、市場参加しようにも上場企業はわずかです。
そのなかで投資として魅力あるのはブックオフヴィレッジヴァンガード、cccと僅かです。コンテンツはともかく器の閉鎖性はなんとかならないものかと一読者、一消費者として歯軋りしています。
昨年、『フリターズフリー』有限責任事業組合(LLP)として発足しましたが、かような試みがもっともっと、拡がるといいですねぇ。
とにかく、新聞を含めて出版流通業界があまりにも閉鎖的過ぎるということです。その強力なベルリンの壁が再販維持制度だとも言えます。
業界の個々の人にそれぞれ訊くとそのような危機意識は持っている。にも拘らず、何とか先送りしようと「見ざる、聞かざる、言わざる」で、やり過ごしてきたわけですが、旧体制に痛い注射を打つべく、外部としてブックオフのようなアウトサイダーが乗り出さないと動かない体質は僅々に是正すべきだと思う。
新聞・出版業界が自ら再販維持制度を返上するサプライズをやる決断があってもいいのではないか、座して護送船団方式でみんなが沈没するのも選択肢としてありだが、どうやらそんな覚悟もないような気もします。まあ、僕のように一年でも長くといった延命治療方式も賢い選択かもしれないが、ツケを手渡される後の世代が大変ですねぇ。
 id:Arisanの書いているように「セーフティーネットとしての文化行政」とのバランスは府民であれ、一人一人が文化資源を生きるための糧の一つなんだと認識することが基底にないと難しい。昨夜、島田裕巳の『日本の10大新宗教』を読了したが、いつの世にも「宗教が存続し続ける」ことを思うにつけ、せめて、お布施がわりにでも、一冊の本を購入することによって、生きる糧にして欲しいとは思いました。
参照:2008-07-31
http://d.hatena.ne.jp/solar/20080801
新文化 - 出版業界紙 - 社長室
新文化 - 出版業界紙 - ニュースフラッシュ関連ページ
http://www.yaso-peyotl.com/archives/et/002758.html
青山ブックセンターの運営会社が民事再生法申請-洋販、自己破産申請で - シブヤ経済新聞