増える大人のひきこもり

安全基地としての家族がどこまで持つか?家族が最後の拠り所になっている。家族が包摂しきれなくなると、若年ホームレスがどんどん増えてゆくのだろうか?
かって、長年、ホームレス支援活動をなさっている方にそんな疑問をぶっつけると、欧米では若年ホームレスが多い。日本もやがてそうなってゆくだろうと答えた。今は何とか、それぞれの家族が支えている。統計的にひきこもりが減って、ホームレスが増えてしまっては何の処方にもなんない。
「外こもり」で日本を後にするか、出家とか、アウトローの道行きか、そんな回路を太くすることも必要かもしれない。この国の社会に包摂されることに身体的拒否反応を示すのだから、そのことを前提に置いた処方箋を提示するしかないでしょう。少なくともそれが一つの処方であると思う。
外こもりと言えば、今、公開中の映画『闇の子供たち』で登場する妻夫木聡は「外こもり」青年だと思う。この映画の登場人物で、結局、「タイ」体験において希望に満ちた顔を勝ち取った数少ない人の一人だったと思う。


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