竹内好の残したもの6.
東京裁判で、大川周明が前の席に座っていた東条英機の頭を突然叩いたハプニングがあったけれど、ブッシュは見事にかわしたねぇ。少年野球では、名キャッチャーだったらしいので、球筋を一瞬で読むことが出来たのか、但し、バッターとしては、ダメだったらしい。球を捉えて打つことが苦手だったらしい。それが今回は幸したのか、名バッターなら、無意識に身体が反応して「靴」を手で打ったかも知れない。
というようなことを、どこかの民放で言っていたが、あんな場合でも、ジョークが出るんですね、靴のサイズが10なんて…。
ところで、『竹内好の残したもの』の中島岳志のレジュメを引用しながら、「アジア主義」について考えているのですが、
いいとか悪いとかの問題ではなくて、かようなシチュエーションでは、ブッシュのようなジョーク、振る舞いはとれないだろうなぁ。何か、ブッシュの表情を見ると、このハプニングを楽しんでいるように見える。実体として、地理学的なアジアではなくて、何か「アジア主義」ってそのようなものだと思う。
中島は竹内好の言葉を引用してこんなことを言っていた。
「実体としてのアジアは存在しないけれど、主体形成のための方法としてのアジアは存在する」って、自分の中に軸を仮構するために、「概念としてのアジア」が装填されるんであろうねぇ。「概念化」されたものは、後世に手渡すことが出来る。この概念化については、大澤真幸が盛んに言っていました。
6.絶対平和主義ナショナリズムとAAの論理(=転生した革命的アジア主義)
次に中島のレジュメを時系列に引用する。
・「世界連邦建設同盟」設立(1948年8月)…世界連邦主義者の中心組織
→下中彌三郎(大亜細亜協会の中心人物、平凡社社長)が牽引
・第一回世界連邦アジア会議(1952年)…広島で開催
・原水爆禁止運動を牽引…原水爆禁止全国協議会の結成(1954年8月8日)
(葉っぱ注:正確には原水爆禁止署名運動全国協議会で、事務局長は安井郁で、原水爆禁止日本協議会、原水爆禁止日本国民会議とは違う。)
・米ソ帝国主義への抵抗…再軍備反対、平和憲法の死守、朝鮮戦争批判
・東西冷戦への批判と非同盟外交への注目
・ネルーのリーダーシップ…周恩来との「平和五原則」の提唱(1954年)
(葉っぱ注:チベット問題もこのあたりから検証すべきなんでしょう)
→中国の孤立化を防ぐ。「友好による封じ込め」(ネルー)
・アジア・アフリカ会議(バンドン会議)…1955年
→日本国内における「非同盟」論の活性化…岡倉古志郎など
→飯塚浩二『アジアの中の日本』
・革新ナショナリスト勢力…アジアの反帝国主義ナショナリズムとの連帯を志向
→「アジア・アフリカの論理」…反帝国主義と「多様性の中の統一」
←米軍基地反対闘争、沖縄返還運動…反米ナショナリズムの高揚
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