関西にも上陸ミシュラン

街場の大阪論

街場の大阪論

夕食の支度をしながら、関西テレビを見ていたら、『街場の大阪論』江弘毅がマイクを握りしめて手が震えながらカッカして質問している、マイクの先にはミシュランのスタッフがいました。そうか、お好み焼き屋とか、串カツ屋を三つ星、四つ星の対象にしようとマジに考えているんだなぁ。そりゃあ、江さんが、怒り心頭になるのはナットク。お好み焼き屋とか串カツ屋とかは、大阪の街場の暮らしの文脈の中で賞味されるもので、トッピングで消費されるものではない。そのことをミシュランのスタッフにもの申しているわけです。僕は思わず、テレビ越しに江さんに拍手喝采しました。
だけど、場面が変わって、わが大阪の府知事が登場。ミシュランスタッフの表敬訪問を受けて破顔一笑で、それならまだ許せる。「どんどん、大阪の店、レストランの評価をやって下さい。そうすることで、大阪の街が活気づく。よろしくお願いします。」それだけではなく、調子に乗って「役所にもやって欲しいよね。ゼロ星の役所とか、三つ星の役所とか」冗談にもならない尻尾を振って、ミシュランのスタッフにすり寄っていました。
スタッフの表情は笑っていなかった。この知事は何を言っているのか、行政を貶めているのか、そんな抑制がありましたよ。
赤木智弘『「当たり前」をひっぱたく』の中で橋下府知事は「努力」というが、果たして府立国際児童文学館が行う努力は、誰かに評価される機会があるのだろうか?という記事を書いているが、僕は確信を持って言うが、もし、このミシュランのスタッフが国際児童文学館に行ったら三つ星以上の評価をすることは間違いない。僕は、二、三回行ったがその素晴しい施設と蔵書にビックリしましたよ。
ミシュランのスタッフには審美眼があるはず。江さんの真剣な質問にも応接していたのではないか。少なくとも気持ちが通じた部分があったと思う。
「見えない文化、歴史」に対するリスペクトがバックボーンにあって初めてその人、その店、その施設などを評価できるわけですよ。
そんな鑑定眼なく評価されたら、眉唾ものです。金融危機の責任の一端には格付け会社の胡散臭さがありましたからねぇ。他者理解の想像力のない人には評価なんてできやしない。
どうせ、リップサービスするなら、役所の評価ではなく、ミシュランで知事自身を評価して欲しいと言ってもらいたかったです。ブラックユーモアすぎるかなぁ。
参照:http://www.140b.jp:80/blog/2009/04/post_365.html