がんペプチドワクチン

TBS系の毎日テレビ「THE・NEWS」の報道特集で、癌の免疫療法、「ペクチドワクチン」に関する放映がありました。やっと、大学病院などで臨床実験が認められ、週一で愛知から900キロもかけて注射のために盛岡の岩手医科大学まで通院している患者が登場したが、可能性があるかぎりチャレンジするのは、当然でしょう。、
(1)外科手術、(2)放射線治療、(3)ホルモン療法、(4)化学療法、(5)免疫療法、のうち、第五の免疫療法は本格的には未体験ですからね。調べると、日本の研究施設は以下のとおりです。山口大学も紹介されていたが、こういうコンセプトのもとに臨床実験がなされているのです。

がん細胞が持つ特異的な抗原などの”目印”を見つけ、リンパ球などにがん細胞のみを攻撃させる治療法。国内ではようやく臨床試験がはじまったばかりの治療法です。活性化自己リンパ球移入療法や樹状細胞療法などと組み合わせることで、より効果的な治療ができるのではと考えられています。
http://www.m-clinic.jp/gannwakuchinn.htm

テレビに登場していた岩手医科大学の藤岡知昭先生はホームページがありますね。
http://urology.iwate-med.ac.jp/
東大の中村祐輔先生の研究室のHPもありました。

がんペプチドワクチン療法は、ペプチドワクチン(9アミノ酸、あるいは、10アミノ酸がつながった小さいペプチド)を注射することによって、がん患者さん自身のもっている免疫の力を高めてがんの増大を抑えることを目的として開発されたものです。現在、私たちが見つけたがん特異的なタンパク質をもとに、免疫を高める可能性のあるペプチドを同定して、それらを利用した臨床研究を多くの医療機関の協力を得て実施しています。
研究段階であり、効果が得られることが確実ではありませんし、予期せぬ重篤な副作用(これまでは認められていませんが)が発生する危険性が無いとは言えません。また、この研究段階の治療を受けるにはいくつかの条件がありますので、希望すればどの患者さんでも受けることができるものではありません。
現在、臨床研究としていくつかの臓器のがんに対してがんワクチン療法を実施している施設ならびにその担当医師と連絡先を下記に掲載しておりますので、質問やお問い合わせがある場合には、下記にご連絡下さい。もし、がんワクチン療法に関する一般的な質問がありましたら、東京大学医科学研究所03-3443-8111(代表)のヒトゲノム解析センター中村教授室にご連絡下さい。(http://www.ims.u-tokyo.ac.jp/nakamura/main/cancer_peptide_vaccine.pdf)

このPDFテキストのリストをスクロールすると、各臓器毎に臨床研究を実施している施設と担当医師と連絡先まで明記している。
このテキストの更新日を見ると今日になっている。テレビの報道と連動したのでしょうか。
あまりにもタイムリーな情報開示になっている。びっくりしました。
前立腺癌に対するワクチン療法は
岩手医科大学泌尿器科になっている。しかし、岩手まで通院は遠すぎる。
ワクチン療法はこの臨床研究によって飛躍的に発展するかもしれないですね。そのモルモットになってもいいとは思うから、現在通院している大学病院で臨床研究をやって欲しいなぁ。次回の診察は7月だけど、担当専門医に訊いてみよう。
それはそうと、ソルジェニーツィンの『ガン病棟 上・下』(新潮文庫)は面白すぎる。
このペプチドワクチン療法はスーパー特区に選ばれているんですね。(http://www8.cao.go.jp/cstp/project/tokku/081117tokkusaitaku4.pdf
しかし、治療法も色んな説がある。昔、放射線科の医師近藤誠の本が話題になり読んだり、セミナーに参加したことがありましたが、先生の過激な発言には驚きましたよ。潜在ガンとか、異端であったけれど奇妙に説得力がありました。
僕の手帖にこんな近藤誠語録がメモされていました。
「治るものは早く見つけなくとも治る。」「治らないものは早く見つけても治らない」(汗)。まあ、そうかも知れないがそれを言ってしまうと身も蓋もない。
先生は(1)の手術療法に距離を置いていた。その前提に「メスの入っていない皮膚はガンが広がるのを防ぐ防波堤のようになっている」、「再発の危険性が高まるのは生検や手術の瞬間」という認識があって、切ることが問題解決の近道だという医療現場の常識に警鐘をならしたと思うけれど、早期発見のための検診にもマッタをかけたわけです。
参照:対談「がん論争」近藤 誠 vs 丸山雅一(上)1998年6月4日 (VOL.31 NO.24) p.20
寝た子を起こすというのもあるからね。僕のステージはD-1で早期発見ではなかったのです。でも知人で早期発見して篤い治療を施したのに、どんどんと進行していった。数年でお亡くなりになった。
おとなしくネンネしな!とガンちゃんに子守唄を歌うのが最適な療法かもしれない。
参照:http://www.gsic.jp/index.html
http://www.gsic.jp/immunity/mk_06/01/01_01.html
http://www.gsic.jp/immunity/mk_06/03/index.html