お別れざっし

天使の記号学 (双書・現代の哲学)
ネット友から色んなところから噂を聞「フリースタイルなお別れざっし『葬』」の創刊号と二号を送っていただいた。
確かに、「来てほしくない。でも来てしまう、あなたのとわたしのいつかのためのざっしです。」と巻頭白黒にナットク。
次ページのイラストマンガは「ガン告知」ではなく、「がん予告」で先生が患者に向かって「あなたはガンになります」、「やだなーー」思わず笑ってしまった。でも、三人に一人はなるのだから、患者も「やっぱ」と奇妙にナットクしてしまう。http://sou4444.web.fc2.com/index.html
『天使の記号学』の山内志朗「毎度ハカバカしいお笑いを!」という連載エッセイを書いている。一回目は永井荷風と淨閑寺について。
墓にこだわる行為を山内先生は「不在の確認」と呼び不在であることは、I miss you ということを思い出してもわかるように、存在以上に我が身に迫って来ると言う。
淨閑寺は10年近く前にお詣りしましたねぇ。
写真家荒木経惟アラーキー)の菩提寺でもあるのです。
荒木経惟写真全集 17 花淫』のbk1書評投稿(2002/12/23 )の中で浄閑寺について書いていました。

〔…〕しかし、アラーキーの花は花鳥風月の四季を感じさせない。季節は夏しかない南国の生と死の腐肉の色香が立ち上る。何故だろうか。原風景が浄閑寺彼岸花で、安政の大地震の時、新吉原の遊女たちが[投げ込まれて]葬られた生き様がヤワな花鳥風月を吹き飛ばし、アラーキーの花に乗り移ったのか。
 供養塔の台座には「生きては苦界 死しては浄閑寺と刻まれている。
 アラーキーの生家はこの寺の斜向かいらしい。菩提寺ということなので、ヤモリンスキー(ヤモリ)に託してアラーキーはこの花の写真で自分を夢埋葬したのかもしれない。西行の花の下に死なんの桜と違って、薔薇かチューリップ、牡丹、バナナの花とかで、西行なら墓の下で「勘弁してくれ」と、うなされるだろう。〔…〕(http://www.bk1.jp/review/0000162364より)

先生は永井荷風の『断腸亭日乗』にこんな一節を引用しているが、孫引用してみます。荷風も又アラーキーに近いねぇ。

余死するの時、後人もし余が墓など建てむと思はば、この淨閑寺のえい域娼妓の墓乱れ倒れたる間を選びて一片の石を建てよ。石の高さ五尺を越ゆるべからず。名は荷風散人の墓の五字を以て足れりとすべし

「えい域」は漢字変換できませんでしたが、「えい」の意味読みは「墓」(はか)です。
最近、神社仏閣の朱印ラリーにハマッテいる僕もお呼びが近いのかなぁ。
山内先生曰く、私はやはり墓バカみたいですね。墓バカは墓に入らない限り直らないのです。
参照:♪これがまあ/終の住処か/レディメイド
こちらに↑に僕が先祖の皆様と同居する予定になっている「墓」の画像がアップされている。
赤の朱印が入っているでしょう。お別れすれば、朱印が消えるのです。