DNA複製とテロメア

今年のノーベル医学生理学賞は、アメリカの3人の研究者に贈られましたが、染色体の末端部にある「テロメア」が細胞のがん化や老化にかかわる仕組みを解明して功績が対象になったんですね。
毎日新聞(2009/10/14)のDr.中川の「がんから死生をみつめる」の連載記事27に掲載されていました。

さて、細胞分裂などでDNAが複製されるとき、まず最初に2本の鎖がほどけます。そして、1本になったそれぞれの鎖は、「AはT」「CはG」のルールにしたがって、ペアとなる塩基を向かい合う形でコピーしていきます。先ほどの例では、「ATTCGCTT」の向かい側に「TAAGCGAA」、「TAAGCGAA」の向かい側に「ATTCGCTT」が、新たに並びます。こうして、もとの二重らせんのDNAにコピーされ、二つできるというわけです。
 しかし、巧妙きわまりないこの仕組みにも問題があります。DNAを複製するたびに、その末端部分のテロメアが短くなってしまうのです。そして、この問題は、がんと死生に大いに関係があります。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)

テロメアって初めて聞きました。