強かな13人集

花田清輝集 (戦後文学エッセイ選)武田泰淳集 (戦後文学エッセイ選)埴谷雄高集 (戦後文学エッセイ選)
竹内好集 (戦後文学エッセイ選)富士正晴集 (戦後文学エッセイ選)木下順二集 (戦後文学エッセイ選)
長谷川四郎集―戦後文学エッセイ選〈2〉 (戦後文学エッセイ選 (2))杉浦明平集 (戦後文学エッセイ選)島尾敏雄集 (戦後文学エッセイ選)
野間宏集 (戦後文学エッセイ選)井上光晴集 (戦後文学エッセイ選)堀田善衛集 (戦後文学エッセイ選)
上野英信集 (戦後文学エッセイ選)
影書房通信No.28を頂戴したので読んでいると、完結された『戦後文学エッセイ選 全13巻』の完結に寄せて『わたしの戦後出版史』の松本昌次を始め色んな人が一文を寄せている。
その中で竹内栄美子が「骨太の思考」でこんなことを書いていた。

ところでで、ひとつの特徴として、この作家たちは自殺していないということがある。文学は青白いインテリで文弱の徒によるものというイメージがあるが、この人たちはそうではなかった。一見気弱に見えるような人でも、飄々としてつかみどころがないように見える人でも、実は骨太でへこたれることがない。過酷な戦争をくぐり抜けたきた人たちだから、命を粗末にしなかったのはむろんのこと、戦争、植民地、民族、国家の問題、貧困や差別の構造、つまりは人間の問題を考えて考え抜く、そういう人たちだったと思う。

最近、政治家を始め、女優、ミュージシャンと自裁の訃報が続くけれど、確かに「戦後文学」という戦いの場に当事者として身を曝していたためか、こちらの13人は一筋縄ではゆかない強かな連中でしたね。

わたしの戦後出版史

わたしの戦後出版史