小説

保坂和志エッセイ/加藤典洋の吉本隆明

「空間」を書く、読む。 ◆http://www.daiwashobo.co.jp/web/html/hosaka/index.html ◆吉本隆明の思想: アカショウビン通信

外科医×放射線科医

柳原和子の『百万回の永訣』を読みながら、あまりにも患者としての柳原の背景に入り乱れるバルザック的人間模様に唖然とするところがある。こんなにも「がん専門名医」分野別50選に選ばれるような名医たちに囲まれて、何を選択するか悩む柳原に最初は嫉妬…

保坂和志

久しぶりにパソコンでブログ更新。(自宅にて) ◆http://www.daiwashobo.co.jp/web/html/hosaka/index.html

水死

紀伊国屋での大江健三郎氏の『水死』をめぐるシンポが5月5日にある。 ◆《第82回紀伊國屋サザンセミナー》 「大江健三郎の文学を考える」シンポジウム 「日中韓 大江小説読みくらべ」 ※本講演会は終了しました | 本の「今」がわかる 紀伊國屋書店 偽日記(i…

忘れられた芥川賞作家/「オキナワの少年」

オキナワの少年 (文春文庫 ひ 3-1)作者: 東峰夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 1980/09/10メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 121回この商品を含むブログ (7件) を見る 前日、上映中止にからんで映画『コーブ』に言及したおり、 1961年に『鯨神』で芥…

ごめんなすって、あっし、ブログをはじめました!

平戸文学探訪 宇能鴻一郎 『鯨神』 : 鯨神 (中公文庫 A 147)作者: 宇能鴻一郎出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1981/07/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る 勇魚〈上〉 (文春文庫)作者: C.W.ニコル,C.W. Nicol,村上博基出版社/メーカー…

科学と文学

大江本を読んでいると声を聞きたくなりyoutubeをクリックしたら、とても面白い30分でした。ノームチョムスキーから「科学と文学」、「ガリレオ・ガリレイ」、「ベネチアの市民サグレド」など、啓発される内容でした。 YouTube - #150cノーベル賞文学賞 大…

身体を張った「小説の力」

川上未映子の『ヘヴン』を読了。 素晴らしい小説に出会った興奮の残余がいまだに燻っている。 いつか『ヘヴン』について僕なりの言葉で書いてみたい。今はまだ書けない。 参照:宇野常寛の書評 http://sankei.jp.msn.com/culture/books/091004/bks0910040837…

歩行と記憶

人の生涯とは、人が何を生きたかよりも、 何を記憶しているか、 どのように記憶して語るかである。 マルケスの言葉は僕の中で波紋を立てる。読み始めると止まらない。 図書館から電話があって、川上未映子の『ヘヴン』が貸出できるとのこと。 この本も読みた…

2003年の雑感/ライ麦畑のキャッチャー

『ライ麦畑でつかまえて』で知られるJ・D・サリンジャーが亡くなりましたねぇ。享年91歳。 主人公のホールデン・コールフィールドのホールデン君はキャラ立ちどころか、生々しいリアル感があり、 サリンジャーが死すともホールデン君は生き続け悩み続ける…

モブ・ノリオ/介護入門

ブックオフの105円コーナーで買ったのですが、実用書の棚にありました。でも昨日、覗いたら帯びつきの単行本がちゃんと小説の棚にありました。文庫になると、単行本は原則105円になるみたいですねぇ。 改行の少ない、延々とモノローグが続く筆圧の高い…

強かな13人集

島尾敏雄集 (戦後文学エッセイ選) 影書房通信No.28を頂戴したので読んでいると、完結された『戦後文学エッセイ選 全13巻』の完結に寄せて『わたしの戦後出版史』の松本昌次を始め色んな人が一文を寄せている。 その中で竹内栄美子が「骨太の思考」でこんな…

ミーハーとしてアクセス

保坂和志&がぶんcomで知ったのですが、磯崎憲一郎芥川賞受賞パーティーの動画がアップされている。 ♪終の言葉 - 葉っぱのBlog「終わりある日常」

終の言葉

磯崎憲一郎の芥川賞受賞パーティーがあったんですね。 磯崎さんの受賞スピーチは、こういう場では場違いに感じられるほど、ストレートでベタなものだった。ベタなことを堂々とベタに言い切る強さというのは、年の功であるとともに、磯崎さんの胡散臭いキャラ…

躓きの石から

郵便配達夫シュヴァルの理想宮 (河出文庫)作者: 岡谷公二出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/08/01メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (21件) を見る […]ある日、この米国の案件を含む、すべての海外事業投資を管掌する取締役から…

いそけん/メルマガ「メキシコ」

終の住処作者: 磯崎憲一郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/07/24メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 150回この商品を含むブログ (94件) を見る保坂和志&がぶんさんのHPで磯崎憲一郎氏が2003年に公開した小説『メキシコ』を読むことができました。…

芥川賞受賞おめでとう!

磯崎憲一郎さんの『終の住拠』(新潮2009・6月号)が芥川賞を受賞しましたね。 デビュー作『肝心の子供』からリアルタイムで磯崎さんの発表作品を読み続けていた僕にとって、 嬉しい限りです。 あるところで大本命という予想コメントをしたので、気になって…

1Q84/Paper moon

村上春樹の『1Q84』を読了。 book3、book4…とエンドレスに続く未完の余韻が膨らむ。それでいいのだと思う。 完結された小説は読み手の自由が剥奪された無理矢理感が残って一丁上がりでキリをつけてしまうのですが、春樹の小説は未消化のまま、いつまでも残る…

磯崎憲一郎vs村上春樹

僕はミクシィの磯崎憲一郎のコミュに加入しているのですが、新宿紀伊国屋本店での今日から始まる面白い催事の記事がありました。 ゆくゆく、こちらの紀伊國屋書店新宿本店2階催事場サイトにブックリストの公開をされると思うのですが、 現在のところ、2009年…

終の住処

新潮 2009年 06月号 [雑誌]出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/07メディア: 雑誌 クリック: 1回この商品を含むブログ (13件) を見る『新潮6月号』で発表されている磯崎憲一郎の小説『終の住処』を読む。 おおきな小説。大人の小説で、こんなにじっくり…

折口信夫/口ぶえ

折口信夫全集〈27〉作者: 折口信夫,折口信夫全集刊行会出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1997/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る前日のエントリーのノリで棚にあった折口信夫全集の中から『口ぶえ』を読んだが…

書くことは地獄やなぁ

昨夜、NHKのドキュメントにっぽんの現場「合評会の熱い夜〜大阪“小説は人生や”〜」を見たけれど、凄まじい内容でした。ここまでさらけ出すのかと書くことでしか救いがないということでしょうか。だが、書いたものがたったひとりでもいいから、他者に届くとい…

夢の浮橋/無門庵

大陸の細道 (講談社文芸文庫)作者: 木山捷平出版社/メーカー: 講談社発売日: 1990/08/01メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る先週の土曜日、小雨の中、久しぶりに堂島に出かけJUNKU大阪トークセッションで刺激を受けたためか、本当は僕の養生が…

ヘンリー・ダーガー/ルパン/ホームズ

ルパン対ホームズ (偕成社文庫―アルセーヌ・ルパン・シリーズ)作者: モーリス・ルブラン,Maurice Leblanc,竹西英夫出版社/メーカー: 偕成社発売日: 1987/10/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (1件) を見る昔の原稿をシュレッダーにかけ…

夢の切れ端

(LIVE) 井上陽水 忌野清志郎 高中正義 細野晴臣 - Acoustic Revolution 1991 前日、中上健次の『夢の力』から引用しましたが、本書はもう本棚にないです。ノートの切れ端だけ残っていました。だから、原典と確認できないが、僕が書き込んだ引用文を引き続き…

夢の力/傘がない

夢の力 (講談社文芸文庫―現代日本のエッセイ)作者: 中上健次出版社/メーカー: 講談社発売日: 1994/08/03メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (5件) を見る日々、うんざりするテレビニュース、新聞記事が流される。 […]つまり新聞記…

郵便配達夫シュヴァルの理想宮

郵便配達夫シュヴァルの理想宮 (河出文庫)作者: 岡谷公二出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2001/08/01メディア: 文庫 クリック: 15回この商品を含むブログ (21件) を見る保坂和志の『小説、世界の奏でる音楽』を読み終わる。 最終章の「遠い地点から」…

ここにある小説の希望

叔父の法事で倉敷まで行ったのですが、日帰りはやはり疲れる。このブログを書き終わったら早寝しようと思う。 車中で保坂和志の新刊『小説、世界の奏でる音楽』を読み始める。 5章の「ここにある小説の希望」の「『古事記』の驚くべき読み方」で英文学者・…

診察と本

寄贈本を持参して病院で診察。PSAの数値は上昇。株価と逆の動きです。上がりだしたら止まらない。下がりだしたら急カーブ。アメリカだけなら、まだなんとかなるけれど、ブリックスの中国、インドも、新興国も軒並みで、世界同時株安では逃げ場がない。PSAの…

寂聴のケータイ小説

あしたの虹作者: ぱーぷる(瀬戸内寂聴)出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2008/09/25メディア: 単行本 クリック: 104回この商品を含むブログ (21件) を見る瀬戸内寂聴さん、ケータイ小説『あしたの虹』を書いたんだ。驚き! http://headlines.yahoo.co.jp/…