忘れられた芥川賞作家/「オキナワの少年」

オキナワの少年 (文春文庫 ひ 3-1)

オキナワの少年 (文春文庫 ひ 3-1)

貧の達人鯨神 [DVD]
前日、上映中止にからんで映画『コーブ』に言及したおり、
1961年に『鯨神』で芥川賞を授賞した宇能鴻一郎を<鯨文学>の一つの成果として作家紹介したが、その後の宇能さんの活躍はエロ作家での認知が高い。日刊夕刊新聞の目玉作品になって延々と連載していましたねぇ。1980年のバブル期とダブッてしまう。
そんな連想からやはり忘れられた芥川賞作家とも言ってよい。
でも、もう一人の作家、東さんを若い人達は知っているだろうか。
東浩紀も作家デビューをしたが、東峰夫との間には30年の長い時がある。バブル、失われた10年、世界の様相は変わった。
でも、一貫して変わらないものがある。タブー視もされている。
聖域になっている。東は作家としてそこに切り込んだ。
1972年に鮮烈デビューした東峰夫『オキナワの少年』は現在の「沖縄問題」と絡めて色んなことを思い出させてくれる。
東峰夫は僕と同年代ですが、28歳でデビューしながら、40年近くも書きつづけ、生き続けているんだと、ネットでこちらのインタビュー記事を発見して、驚いています。
http://web.archive.org/web/20070317193113/http://www.tamabook.com/interview/2004/01/contents.html
ムネオ日記を時々拝見しているのですが、こちらの記事は水村美苗の『日本語が亡びるときー英語の世紀の中でー』にリンクする。

日本の国土のわずか0.6%の沖縄県に、全在日米軍の74%が集中している。この様な沖縄県民が強いられている異常な負担、苦しみに思いを馳せ、県民の理解を得る努力をせずして、普天間問題の解決はない。
 また昨日の答弁書では、

 いずれにせよ、共同発表の正文は英文である。

 との答弁がなされているが、これもおかしな話だ。
 国家の関係はあくまで五分と五分である。それぞれの母国語を用いて合意文書を作り、正文とするのが外交の常道である。
 日米の合意事項についての正文が、なぜ英語だけなのか。なぜ日本語・英語の双方で正文を作らないのだろうか。
 日ロ交渉でも、何らかの合意文書ができた場合、必ず日本語とロシア語の双方で正文を作る。それなのに、なぜ普天間問題については英語の文書だけが正文となり、日本語の文書が「仮訳」となるのか。これも対米従属を表しているのだろうか。
http://www.muneo.gr.jp/html/page001.html

普遍語として英語が、ここまで世界を席巻しているのか。

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で

そして、本日のホットニュースは?
ユニクロ、社内公用語を英語に。
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