今年始めてbk1に拙レビューをアップしました。

人はある日とつぜん小説家になるヘヴン批評のジェノサイズ―サブカルチャー最終審判
川上未映子『ヘヴン』について書いてみました。
タイトル:「作家の勝負服は文体」( http://www.bk1.jp/review/0000482474
このレビューもさることながら、作家にとっての文体について考えてみたいです。恐らく近代小説が完成されて、21世紀の小説は作家達の「文体」の鬩ぎ合い、勝負服としてパフォーマンスする作家ー読者の関係性の空間で生まれる「何か」なんだろうと思う。

 今は「文体」よりも「物語」が強い時代なんですよ。「文体」というものを味わうには「国語」みたいなある種の共通前提が必要で、今はその前提が弱くなってきているんだから、「文体」が魅力的な小説より、「物語」の面白さで読ませる作品のほうが強くなるのは当たり前。ケータイ小説が売れているのって、文体とかじゃなく、「物語」が消費されている時代だからですよ、そして、川上さんって「文体」で読ませる作家じゃないですか。だから僕は市川さんに「文体の逆襲」が10万部止まりなのは当然の結果だって言ったんです。ー宇野常寛×更科修一郎・『批評のジェノサイズ』p40ー

ジュンク堂本店にメンチンされていた川上未映子の『ヘヴン』(10刷)の帯文に13万部突破とあったが(’10/3/8)、確かに『ヘヴン』は「文体」で読ませる小説ではなくて、「物語」で読ませる作品とも言える。
古谷利裕の新刊『人はある日とつぜん小説家になる』は気になります。
ジュンク堂新宿店で磯崎憲一郎×古谷利裕のトークイベントがあったんですねぇ。
後でネットにアップされているレポを読んでみます。
参照:http://d.hatena.ne.jp/m-sakane/20100220
   http://d.hatena.ne.jp/furuyatoshihiro/20100220
   http://d.hatena.ne.jp/tokyocat/20100228