玉取手術

ところで、双風舎さんが前日、「日本の神父はだいじょうぶなのだろうか?」という記事をアップしていたが、性的欲望の処方箋は意識改革では対処出来得ない社会の底をぶち抜いたエロ・グロの闇であり、身体改造しかないのではないかと思う。重罰を与えても済む問題でもない。
偶々、僕は前立腺癌病棟で「去勢療法」を継続中ですが、段々効きが悪くなってきたので、近々女性ホルモン注入の処方に切り換えるかもしれない。
この十年以上、朝立ちは遥か彼方忘れた出来事です(涙)。
律令制度による宦官採用もそれなりに分かる。司馬遷の『史記』というスゴイ財産を人類史が手に入れることが出来たのは司馬遷が「腐刑」に処せられたからとも言える。ブログ記事も延々と継続しているのも、「ホルモン療法」のお陰かもしれないw。
過去のブログに僕はこんなことを書いていました。
自壊する帝国 (新潮文庫)
宦官制度について考える資料? - 葉っぱのBlog 宦官制度について考える資料? - 葉っぱのBlog
 バックラッシュ論争の中で「弱者男性」というトピックで、常に去来していたのは「去勢」についてでもあったのです。赤木さんの文脈とあまりに違うから言及しなかったのですが、前にもてるてるさんと宦官についてやりとりしたことがあります。このブログそのものも、過去エントリーで去勢について結構語っているのです。そして、相変わらず、内分泌療法で通院しています。ところで、佐藤優の『自壊する帝国』を読んでいたら、本筋とはあまり関係ないなのに、どうしても引用付箋したくなった頁がありました。

 カトリック教会の聖職者が独身制をとっていることは有名だ。プロテスタント教会は、地上に聖なる入はいないと考えるので聖職者という概念はない。従って、聖職者ではなく教職者(牧師)という。牧師は結婚して家族をもつことができる。一見するとカトリック教会は非近代的な囚習に凝り固まっているように見えるが、実は独身制には合理的根拠がある。
 先ほど、ロシア正教会が信者からの寄進だけで巨大なホテルを建てたことについて述べたが、教会自体も強大な権力と財力を待っている。カトリックが独身制を固守するのは、聖識者がこうした富や力を子供に継承することを望み、そのため家族という要素が教会の意思決定に影響を与えるようになることを恐れているからだ。
 中国やオスマン(トルコ)帝国の場合、去勢制つまり宦官制度を設けることで、権力が集中する官僚が生物的に後継者をもつことができないようにした。カトリック教会の場合は生物的去勢は行なわなかったが、聖職者を社会的に去勢したのである。神父が女性とセックスし子供を作 ることかどんなことだったのかは、中世恋愛文学の代表作『アベラールとエロイーズ』を読めばよくわかる。神父で神学者のアベラールはエロイーズを孕ませ、子供まで生まれるが、それに憤ったエロイーズの一族によって急所を切り取られてしまう。これは史実だ。
 神父か子供をつくることは、現在もそれほど珍しいことではない。ただし、神父である限り子供はいないという建前になっているため、権力や利権をもった聖職者のポストを子供に与えることはできない。社会的に聖職者の権力は一代限りとなる。
 これに対して、ロシア正教会では司祭(神父)をキャリア組とノンキャリア組に分ける。
 独身制を誓い、黒い儀式服を着る修道司祭はキャリア組で、黒司祭と呼ばれ、修道院長や府主教、総主教になる。これに対し、結婚し、家庭を設け、民衆の中で生活する在俗司祭の儀式服は白いので、白司祭と呼ばれる。正教会では白司祭内におけるトップの地位と黒司祭の最下位職が同じレベルというキャリア制度を敷いている。
 信者の家庭的な悩み事の相談に応じるためには、家庭をもっている神父の方が現実感覚がある。一方、教会の上層部や神学者は、生活に煩わされず、教会政治、研究活動に専心することかできる、このように、正教会は司祭を二分することで、組織機能を最大限に活用することができる合理的な制度を作り上げたのである。(228〜9頁)

宦官制度って検討するに値する優れものなんではないかと思いました。
強制は色んな差し障りがあるとはおもうけれど、様々な性的妄想に悩まされているいわば、「変態さん」は申告すれば、去勢手術を健康保健診療でやってあげるという選択があってもいいかと思う。
ちなみに、僕が入院したおり、「玉取手術」を担当医に勧められたのです。ホルモン療法より、コスト的に断然安価です。だから、諸外国では「玉取手術」が一般的で「ホルモン療法」は例外だと思う。後でそのことに気がついて途中から、「玉取手術」を申請したのですが、せっかく、ホルモン療法が順調なのに、「玉取」をやると、リスクが高くなるかもしれないと、診察されて断念しました。ちなみに東京の担当医は「玉取手術の名人」だったらしい。一回で済むからねぇ。希望すれば、玉を二つ、お土産っていうか記念にもらえますよ。
ちなみに、ホルモン注射を何年もやったので、高級車が買えた資金ぐらいは投入しています。三割負担と言っても4万円近い自己負担になるわけです。今は三ヶ月に一度の注射ですが、それでも結構の医療負担になります。
最近、初期段階で重粒子放射線治療が先端医療技術として推奨されています。保険がきかないけれど、癌細胞だけを集中的に叩いて、正常細胞にダメージを与えない放射線照射です。確か、500万円ぐらいのコストがかかる。僕はもう、保険の効く通常の放射線照射をやっているから、二度目の放射線治療は出来ません。ノーモア、ナガサキヒロシマなのです。

ところで、私自身がそういう性癖があるというのではなく、世の中にかならず存在すると思われる小児性愛(ペドファイル)者について、私は強い関心を持っています。子どもへの性的虐待はいうまでもなく犯罪であるなか、おとなである彼らは、どうやって自分の欲望を抑えているのだろう。そして、満たしているのだろう。社会は、彼らの存在に気づいているのだろうか。いろいろ知りたいことがあります。
そのうち、そういう本も出せたらなあ、と思っているところです。(http://sofusha.moe-nifty.com/blog/2010/03/post-3963.html