悪人/「あんた 大切な人おるねん?」


昨日、地元のシネコンで映画『悪人』を観ました。
吉田修一の小説はデビューから愛読しているのですが、
『悪人』はまだ読んでいません。
だから、新鮮な気分で映画を観ました。
涙腺が緩んで堪らなくなりました。
キーワードは「大切な人」があなたにはいるかどうか?
「失うものは何にもない」という虚無の怖さを笑い飛ばして、
お前はノンシャラと生き続けることが出来るのか?
「天国」であれ、「地獄」であれ、そこには「人間の営み」がある。
「善人」とも「悪人」とも無縁である「虚無の人」こそ、
不幸せかもしれない。映画の帰りに図書館の前をチャリンコで通ったら、
講演の広報幕があって、「成功を勝ち取るための人生の生き方」みたいな言葉がつらなっていました。
内田樹の言うように「幸福」と「成功」とは位相が違う。
まあ、「虚無の人」にとって「成功」というタームは馴染みやすいのでしょうねぇ。
勿論、成功者ではないけれど、悪人・妻夫木聡は結局「幸せな人」になりました。
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