武士道初心集を読む

元禄武士(サラリーマン)学 (中公文庫)

元禄武士(サラリーマン)学 (中公文庫)

神坂次郎の『元禄武士学』は元禄時代における藩に勤める武士たちのサラリーマン道です。
「武士道初心集」を注釈、解釈したもので、新渡戸稲造の「武士道」とは違う。社畜というか藩畜の生き方の処世術本です。
バブル崩壊以降の現在に通じるものがある。爪に火を灯すようなつつましさで、内向きの閉塞感があるけれど、
ず〜と変わらない、核の尻尾のようなものが明治維新を超えてもあるなぁとつくづくナットク。
元禄時代のサムライだけではなく庶民のしたたかな処世術が具体的に紹介されてもいる。