放射線治療

放射線の情報に関しては様々な知見が飛び交っているが、僕自身、肝に銘じていることは少なくとも日進月歩した放射線治療の恩恵を受けて前立腺の全摘手術を回避して「放射線治療」を選択して10年以上の延命を勝ち取ったことは否めないと思う。
医療技術が原子力平和利用の一端を担い放射線のパンドラの函を開くことでかって見えなかった身体の秘密が見えるようになったことも否めない。そうやってお世話になったのに、一刀両断に「反原発」と言っちゃうのには喉仏に骨がひっかる違和感が残る。
だからと言ってあっけらかんと「推進」と受け入れることも出来ない。
どうも収まりの悪い立ち位置ですが、「原発エネルギー」を受容することでこの国が僕たちが高度経済成長を勝ち得たことは間違いない。多分、不思議パラドックスのわけわかんなさで、世界一の長寿国になった一因でもあるかもしれない。
反であれ推進であれ、思想家であれ、宗教家であれ、文化人であれ、大多数の人々は「経済の恩恵」の元、微睡んで来た。
極論すれば「原発エネルギー」を担保した国造りを受容してこの世を謳歌した。そのことの反省なくして安易に「反原発」と<極私的>には言えない。
しかし、もう放射線治療は受けることは出来ない。抗がん剤点滴しか残されていない。でも技術がどんどん進歩して何度でも、癌細胞だけ焦点を定めて打ち殺す。そんな最先端の放射線ピストルのようなものが開発されればいいなぁ。