出版状況クロニクル45・更新

出版不況の状況は進行中ですが、だからと言って他の国では別段、出版不況ではない。あまりにも日本独自の状況があるのではないか、そうであるなら問題解決の選択肢はある。要はいままでのシステムを更新する勇気でしょう。それによって「失うものがあるかもしれない」、座して死を待つか。そう言うこと。

どうして「理想の書店」の単品管理システムが挫折していったのか。それこそが80年代に起きた郊外型書店のバブル出店と再販委託制の実質的破綻、90年代におけるレンタルとの複合店、及びブックオフに代表される新古本産業の隆盛であり、それらにふれることなく、現在の書店状況を語ることはできないのに、石橋はあえてそれらにふれない。それはやはり特集で、電子書籍を語っている津野海太郎も同様で、もう少し欧米と異なる日本の出版業界の特殊性、歴史と構造を踏まえた上で発言すべきだろう。


著者のみならずこういう本を出版する出版社の慧眼に脱帽です。痕跡本からの発想で新刊書店で書店独自のパフォーマンスが出来そうな気がする。書店サイドで本に付加価値をつけて販売する。もちろんマイナスの付加価値?もあって安くなるとか、ただ、そのためには前提として再販維持制度が邪魔になる。

文壇高円寺: 痕跡本