栗田隆子さん

kuriyamakouji2009-05-04

フリーターズフリー vol.2 (2)
今日の毎日新聞の「聞きたい」で雑誌『フリターズフリー』のLLP(有限責任事業組合)の組合員である栗田隆子さんが、畑津江編集委員の取材を受けている。彼女はフリーターズフリーの2号の編集担当であり、「女性と貧困ネットワーク」の呼びかけ人でもあります。
彼女が一番、言いたいことは「男性なら社会問題」として顕在化されるのに、女性の場合は見えないものとされている。ということでしょう。

 近年、不安定就労と低賃金が男性の身に降りかかっていたから社会問題になりましたが、それらは女性の労働においては昔から存在しました。社会構造における女性労働問題の解決なしに、フリーター問題は解決しません。
 国はフリーターの年齢層を15〜34歳としますが、男性は既婚未婚を問わずそこに入るのに、女性は未婚のみ。女性は結婚すると「パート」になり、若年労働問題の対象からはずされる。結婚すれば何とかなる、とされるわけです。一方で、キャリアウーマンとはほど遠い形で非正規で地味に働く独身女性の数も多く、そのまま親の介護の入る人もいる。なのに彼女らの困難は見えなくされています。

LLPのフリターズフリーが第3号、4号と発行し続け「働く」ことをめぐる雑誌メディアとして大きくなってもらいたいと思います。
参照:♪オルタ│2008年7・8月号
栗田隆子「エコロジカル・フェミニズム再考─「オルタナティブ」を実践するために」
栗田隆子『考現学・覚書「言葉で言葉がひらかれる」』
栗田隆子『セクシュアリティ・ジェンダーについての語り口の模索』
栗田隆子「シモーヌ・ヴェイユ『根を持つこと』を読みなおす 」

こちらは、ネットでリサイクル

不忍ブックストリートでネット友さん達は大いに楽しんだみたいですが、
先ほど、「ライブドアリサイクル」から古本の査定メールが来ました。その報告を致します。
約20冊で2479円でした。1点づつ、 査定にナットクできなければ、契約しないで、返送してもらうのですが、 そうすれば、返送料がかかる。 最低でも800円でそれ以上かかるわけ。銀行振り込みではなく、ライブドアポイントで精算すれば、30%アップで、実質3000円超える。
セレクトした本は不忍ブックストリートでは、似合わないけれど、新刊書店では今でも現役で売れている本をリストアップしたのです。ピカピカの美本で古書ではありません。小説、コミックではなく、人文・思想系の現役本は結構査定が難しい。僕も見当がつかなかったのです。それで、実験という意味合いもあって始めてネットで査定申し込みをしたわけです。
結果として、街のリアル新中古書店よりは査定が良いことは間違いない。ダンボールに梱包してライブドアにメールすれば、宅急便屋さんが、集荷してくれる。運賃は着払いなので、発送コスト、面倒さが全然ない。
ただ、街の古書店ではその書舗の棚にあった本をセレクトして持参すれば、それ以上の値段をつけてくれるかもしれないが、そんな街の古本屋さんが消えている状況では都心に出かけなくてはならない。
交通費とか、昼飯代を考えると、 逆に足が出る場合が多い。遊びの感覚ならそれでも楽しいのですが、単行本で20冊以上になれば、重くて息切れしてしまう。
アマゾンなどのネットで一点づつユースド提供するのもいいのですが、ズボラな僕には無理ですね。
そんな、こんなで、今回のライブドアリサイクルはベターな選択かもしれない。大体、新刊本の荒利は2〜3割弱。古本の荒利は7〜8割弱と大まかに考えれば良いと思う。
定価2000円で発行年月日がこの数年以降の帯付きの美本で 店売りが半額の1000円として買取が約200円なら、業界常識からナットク出来る値付けでしょうね。単行本は150円前後。新書・文庫は50円台でした。
本は極端な少量、他品種(点数)ですからね。返品率をうんと下げて、新刊では荒利が4割の責任販売制が業界常識になれば、出版流通は今より風通しが良くなるでしょう。
そうなれば、古本・リサイクル本の荒利も6割が標準となり、新刊と古本の境界線がより接近して街の新刊書店が古本をも取扱、街の古本屋さんが新刊も取り扱うようなオルタナな出版流通回路があたりまえになるかもしれない。
新刊であれ、書店が価格設定の権限を持つことのできる再版維持制度の縛りがなくなれば、益々、新刊であれ、古本であれ、市場原理に基づいたコンテンツで価格設定がされるようになるでしょう。
消費者/読者という毛色の違った顧客層を相手にすることによって金太郎飴ではないセレクトショップが当たり前になるかもしれないし、徹底した金太郎飴書店で価格破壊で勝負する本屋さんも出てくるようになるかもしれない。
僕としては文化行政として単なる消費者ではない読者を想定した図書館インフラが今以上に完備されることを願うばかりです。
大昔、出店していたショッピングセンターの行きつけの喫茶店のオーナーが店内にちょっとした古本市(今で言う新中古本ですね)を開きたいと言ったので、僕の蔵書を提供して協力したことがあったが、ブックカフェというようなものではなくて、普通の喫茶店が期間限定のイベントをしてくれると面白いと思います。

雑誌の特別付録に驚く

ダ・ヴィンチ 2009年 05月号 [雑誌]

ダ・ヴィンチ 2009年 05月号 [雑誌]

もうすぐ、6月号が発売されるので、5月号の『ダ・ヴインチ創刊15周年記念』は持っている人が多いと思いますが、小田光雄の「出版クロニクル」を読んで地元の店頭で確認したら、平台にどんと積まれていた。
6月号が発売されると、ひょっとしたら返品されるかもと思いつつ、580円のお得感で購入したが、予想以上のDVDコンテンツの仕上がりにビックリしました。
蒼井優の詩の朗読だけでも大満足なのに、海外ドラマも収録されて、約275分なのです。
それで、580円!信じられないです。
雑誌メディアは今後、DVDのコンテンツで差異化を図るのでしょうか。
パソコン雑誌なんかでも付録のCD-R、DVDで衝動買いすることがありますもんね。