舞城王太郎「わからないけれど、何かありそう」

◆多分、ぼくには『好き好き大好き超愛してる』で芥川賞候補に選ばれた覆面作家(1973年生〜)の舞城を語る資格はないと思う。でも、『熊の場所』はとても好きな作品だったし、三島由紀夫賞を貰った『阿修羅ガール』にしろ、本来なら、オヤジの読解は無理だと読む前から自己弁解していたのに、読み始めると、あれよあれよと、ノセラレてしまった。駆動力のあるグルーブ感っていうか、一汗掻いて、読書というエクササイズをした気持ち良さがありました。だから、『九十九十九』は楽勝で読むこと、楽しむことが出来ると思っていたのです。あ!残念、脱線、脱落してしまいました。それから、もう、舞城王太郎から遠のきましたが、今回の芥川賞騒ぎで「もし、授賞したら、覆面をとるのであろうか?」ってミーハー的なノリで、又もや関心を持ち始め、“書くことが犯罪を犯す”というミステリアスな犯罪捜しをキーワードに舞城を論じるネットでの仲俣暁生、「雑誌ファースト」での東浩紀は脱物語であってコミュニケーション、高橋源一郎メタフィクションと、それぞれの自分の文脈で舞城を読解していたり、他のブロッガーさんたちも、舞城についてロムすると、それなりに、面白い。それで、中断した『九十九十九』を改めて挑戦しようかと、思っているのですが、まだ、自信がありません。若い彼なので今後、沢山の作品が発表されるでしょうし、無理して、慌てて評価する必要は勿論ないので、“わからないけれど、おもしろいみたい”で、コメントするしかありません。